石川直樹さんの写真集のタイトルである
『VERNACULAR(ヴァナキュラー)』とは、
風土や土着性という意味なんだそうです。
フランスにある天然の岩壁と一体化した家、
村人がトランス状態に入って行う
アフリカ・ベナン共和国の儀礼、
標高5000メートルを越える山に一万人の人が登って
三日三晩踊り続けるアンデスの祭など、
ページをめくるたびに見たことのない光景の連続で、
すこし怖くなりつつも、人間のすごみやエネルギーを
あらためて感じました。
それを現場にいながらたんたんと撮影している
石川さんの度胸というか
クールさみたいなものにも感服させられます。
ERICさんの『中国好運 GOOD LUCK CHINA』は
中国に住む人を至近距離で、
しかも真正面から撮影した迫力のある写真集です。
北京オリンピックの応援に行こうとする人や
カメラをにらみつける
何の職業だかわからないおじさん、
雑踏の中を汗だくで歩く人たちの表情や服装が
とても鮮やかな色彩で克明に表現されていて、
なんだか全員すごく一生懸命に見えるんです。
その迫りくるパワーたるや、
途中で休憩しないと最後まで見られないぐらいでした。
写っている人の息づかいが聞こえてきそうな
とても臨場感のある一冊です。
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3月上旬より
「石川直樹さん+エリックさん+糸井重里」
鼎談コンテンツを連載予定です。
どうぞおたのしみに! |