この間、東北で弁護士をしている友だちが、
「○○山のふもとにおいしい水が出るんだけど、
その土地でも売って、
市の財政を立て直そうかねえ‥‥って
計画を立てたときに、
国内からは問い合わせがなかったのに
どこで聞きつけたか、
アラブの人たちから数件問い合わせが入ったんだ」
と言っていて、
「へえ、アラブは暑いところだから、
水不足なのかなあ」
なんて、そのときは思ったのです。
ところが、この本を読んでみたら、
「あ! 石油の次は水で儲けるってこと?」
と気がつきました。
世の中を知らなすぎでした。
この本には、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国などの
各国の水事情や、人の水に対する意識、
水のビジネスとその問題点などがまんべんなく
取材やデータをもとに書かれていました。
参考文献もきちんと紹介されています。
ですから、水について考える
はじめの一歩としてよかったです。
たとえば、身近なところでは、
国によって異なるのですが販売されている飲用水に
「ナチュラル・ウォーター」、
「ナチュラル・ミネラル・ウォーター」、
「ミネラル・ウォーター」「ボトルド・ウォーター」
といった種別があることや、
種別ごとに作り方や成分、味もみんな違うのだ、
ということを知ったり、
自分が買っている水が、別のメーカーの水と
同じ水源を使っているのに値段が違うと知ったり。
読んでいくうちに、自分の中で、
飲用水の選び方の基準がかたまりました。
せっかく水にお金出すのだから、
納得できるものを買いたいです。
いままでいろいろな商品を試してきましたが、
これで、すっきりしました。
また、いままで考えたこともなかったことを
考えるきっかけになりました。
水の値段ってなに?と思いましたし、
水はだれのものか?というのも、気になりました。
水にまつわる法律や条例などのルールは、
国によってまちまちですし、
これから改訂したり、
新しく作られることが多くなりそうです。
これから大きな変化が起きそうなところって、
なんだかわくわくします。
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『ウォーター・ビジネス』への感想メールを
たくさんお送りくださり、
ありがとうございました!
また次回の「イトイの読んだ本、買った本」を
どうぞお楽しみに。 |