イトイの読んだ本、買った本。
 
イトイの読んだ本
『天才! 成功する人々の法則』
著者:マルコム・グラッドウェル
翻訳者:勝間 和代
発行:講談社
価格:¥ 1,785(税込)
ISBN-13:978-4062153928


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イトイはこう言っている。
(2009年5月21日の「今日のダーリン」より)

前々から、「ほぼ日」でもよく引用される
吉本さんの言ったことばのことです。
「どんなことでも、10年間、毎日続けたら
 いっちょまえになる」ということですが、
これ、アメリカで大ベストセラーになって
最近日本でも翻訳の出た『天才!』という本に、
ちがった角度で同じことが書いてあったんです。
こっちは「どんな才能や技量も
1万時間の練習を続ければ本物になる」
という言い方なんです。
1万時間というのは、一日に2時間から3時間の仕事を、
「10年間、毎日」続けた数字なんですよね。

 
乗組員も読んでみた。
「天才!成功する人々の法則」
というタイトルからの印象で
もしかすると、
この本のことを
成功者になるためのハウツウ本と
想像する方がいるかもしれません。
しかし、この本には
そういうことは書いてありません。

原作のタイトルである「Outliers」とは、
統計上の「外れ値」、
「通常の値から大きくかけ離れている値」のこと。
この本では、一般集団から外れて、
並外れた成功を収めた人々が持つ
背景や共通の要素などを題材にして
丁寧な取材と豊富な調査と深い考察のもと、
整理し、分類して読みやすく紹介しています。

ビートルズやビル・ゲイツなど、
分野のちがいはあれ、
成功者として多くの人々が認識している人には
才能のみならず、他の人よりもはやく
1万時間を経験しているという共通点がある。

カナダのアイスホッケーの選手は、
1月、2月、3月生まれの人がとてつもなく多い。
占星術でも監督の贔屓でもないのになぜ
このような偏りが見られるのかについては
ある明確な理由がある。

アジア人が数学を得意とする本当の理由、など
興味深いポイントがたくさんありすぎるので
例をあげるのはこのくらいにしておきますが、
そこに書かれている人々の実話を
短編小説のように読んだり、
自分の中にある1万時間はなんだろうと思ったり、
本に書かれている
成功しなかった人々のほうに思いを馳せたり、
航空機事故の話を読んで
日々の仕事のやり方を見直したり、
幾通りもの読み方ができる本だと思いました。

この本を読んで
マルコム・グラッドウェルに興味を持ったかたは
他の著作
『ティッピング・ポイント』
『第1感』
もおもしろいですよ。

2009-05-30-SAT
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