この本のタイトルを見て、
すぐに興味を持つ「見込みの読者」の中には、
大きく分けて2種類の人がいると思われます。
ひとつは、
すでにいい商品やサービスを持っていて
どうやったらもっと売れるか考えている人。
もうひとつは、
「この商品どうやって売るんだ?」と思いながらも
それを売るためのコピーを書かなければならない
つまり、いわゆるコピーライターという職業の人、
もしくは、広告にたずさわる人。
そして、意外なことに
タイトルを見て
興味は持たないかもしれないけど
日常の生活の中で
「誰かに何かを伝えたい人」というのも
実は、この本のよい読者になると思います。
(これは、あとで説明します。)
先に述べた、上の2つの間には、
とても大きな差があります。
いい商品やサービスがすでにあって
それを「売る」コピーを考える場合は、
この本で語られている
39の型のひとつひとつが、
きっとすぐに使えるようになります。
その商品が、
なにかの「不」を解消するために作られたものなら
「そのことをきちんと伝えればいい」とか、
見込み客を想定できる商品であれば、
「こういう使い方ができますよ」ということが
「コピーをつくるということです」
と、教えてくれる本だからです。
ところが、いい商品やサービスがなく、
この本で語られている
「見込み客」というものが想像できない場合、
コピーを書くという仕事は、きっとたいへんです。
(わたしはコピーライターではないので
ほんとうには、わかっていないのですが)
その、見込み客を想像(創造)できるかどうか、
というのは、
コピーがうまく書けるかどうか以前に
とても大切な視点です。
その視点を得られるということにおいて
この本は、上で書いた2種類の人ではなく、
「商品やサービスをつくる人」にとってこそ、
読んで役に立つ本なのかもしれません。
それでもこの本は、
「難題をあたえられたコピーライター」に
役に立ちます。
そして、「誰かに何かを伝えたいふつうの人」にも
きっと役に立ちます。
それは、この本の102ページ
番外「ボーナスノウハウ」を
読むと書いてあります。
「見込み客に手紙を書いてみる」という方法です。
「手紙」というのは、
現代では「メール」でもいいかもしれません。
そして、「見込み客」というのは、
「あなたが想いを寄せている人」かもしれないし、
「言うことを聞いてくれない子供」や
「いつも素直に話せない親」かもしれません。
「意見の食いちがう上司や部下」、
「さいきんしっくりいかない仕事仲間」、
「売れるコピーを書けという取引先」かもしれません。
そういう、通じ合いたいけど、
なかなか通じ合えない相手がいる人は、
「なんで通じないんだろう?」
ということを考えながら
ぱらぱらとめくって、「見出しをみる」だけでも
きっといいヒントをもらえますよ。
あっ、そうか!
見出しって、コピーなんですね。 |