著者の上大岡トメさん一家が
犬を飼うことにし、もらってくることから、
この本は、はじまります。
この犬、マヤちゃんがひどく臆病な犬で、
はじめのうちは、
ソファと壁の隙間でじっとしたままだったり、
ちょっと外に出してみれば、
ウッドデッキの下にもぐってしまったりします。
でも、だんだんとトメさん一家に慣れていき、
家族になっていく様が書かれた1冊です。
わたしがはっとしたのは、
はじめは犬を飼うことに、
あまり積極的ではなかったトメさんが
犬を飼おうと思った理由でした。
トメさんには、
二人のお子さんがいて、
上は高校生のお姉さん、下は中学生の弟さんです。
この弟さんが
小学校を卒業するあたりから反抗期に入り、
会話もどんどん減ってきたとき、
「ペットは思春期のコドモの緩衝剤になる」
という記事を読み、
「これだ!」と思ったんだそうです。
わたしの家も、おなじ兄弟構成で、
弟が反抗期の頃、動物を飼っていました。
いま考えてみると、
動物が家にいることは、
弟の反抗期を和らげるだけでなく、
わたしも含め、子どもたちが大きくなり、
家族全員で
ごはんを食べることも少なくなってきたころの我が家で
家族の共通の話題であり、中心だったと思います。
うちのペットは
人懐っこいように記憶していましたが、
そういえば、家に来てすぐは、
はじっこでぶるぶる震えていたなぁとか、
そんなことをなつかしく思いながら、読みました。 |