がんばれ自炊くん!
「ふだん食」はじぶんで作るって、どう?

フライパンひとつで何をつくる? その12
〜中国、カンボジア、シカゴからもじゃ!〜

ふおっふおっふおっ。自炊老人じゃーっ!
ちょいといいことがあったでな、浮かれとる。
どんな「いいこと」かはまだヒミツじゃが
そのうちここで書かせていただくよ。
しかしわしのわるいクセで、
うれしいと、ついつい朝めしの「たまごかけゴハン」も
いつもはたまご1コのところを
2コ、使ってしまう。めしも大盛りじゃ!
ついでに朝からビフカツじゃ!
(朝だから、ええんじゃ!)

さて、今日はまずこんな質問メールから。

●私は、お米を180ccのカップで計ってます。
 でも、そのカップを満杯にすると180cc+αです。
 お米は炊飯ジャーで炊いています。
 カップも炊飯ジャーについてきたものです。
 取説をなくしたので、なんとも言えないのですが、
 家族で、米1合は180ccだ、いや、カップスリきりだ
 と、揉めました。ご意見、お聞きしたいと思い
 メールしました。
 お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。(みん)

ふむ。米は一合、一升、一斗、一石、じゃよな。
こればっかりは変わらんのう。
で、一升は1800ccで、その10分の1が一合じゃから
180ccが正解じゃよ。
ご家族が「すり切り」とおっしゃるのは
むかし、木の枡(一合ピッタリ)で量るときに、
すりきり棒で表面をまっすぐにしたもんじゃが
その感覚の名残ではないかな?
いまどきの炊飯ジャーだったら、180ccが一単位だと
思うぞ。
わしはジャーのごはんが苦手なので
鍋で炊くんじゃが、炊くときの計量、じつにいーかげんじゃ。
「米を炊くときは、とぐ前の米×1.2倍の水で」
という、ただそれだけじゃよ。
で、米は、といでザルにあげて20〜30分もすれば
ふくらんでちょうど 1.2倍になるから、
ふくらんだあとの米と同量の水を入れて炊いとるよ。
「あれ? どれくらい入れたっけ?」というときは
この方法で水を量ると、ええぞ。

では、本題!

●自炊老人様
 度々失礼いたします。
 フライパン料理も大変にぎわっているようですね。
 紹介されたレシピから早速いくつか食卓に
 エントリーさせていただきました。
 そして今日の私のレシピですが、
 フライパン料理といえば・・・中学校の家庭科で
 おなじみの「ムニエル」がありました。
 白身もおいしいのですが、
 今回私は青魚のムニエルをお勧めします。

 さんま・いわしのムニエル
 ・材料(一人前)
 さんま・いわし 一匹
 バター 大さじ1強
 (下記かばやきソースの場合にはサラダ油)
 小麦粉 少々
 つけあわせの野菜 おこのみで

 ・作り方
 1.魚を三枚におろして、あばらの部分の骨をそぐように
  取り除きます。
 2.フライパンが小さいようなら身を半分の長さに切って、
  小麦粉を薄くまんべんなくまぶします。
 3.フライパンでバターを溶かし、中火よりやや弱火で
  皮目から魚を焼きます。
 4.片面がきつね色になってきたら、ひっくり返して
  もう片面をきつね色になるまで焼きます。
 5.できあがり

 ソースですが、青魚の場合はこの2つがお勧めです。
 ★和風かばやきソース
 ・材料
  濃口醤油 大さじ1
  みりん 大さじ1
 ・作り方(というよりも使い方)
  できあがり直前にフランパンに一気に入れて、
  魚にソースがからんだらすぐにお皿に盛り付けます。
 ★トマトソース
 ・材料
  トマト缶 1/2缶
  にんにく ひとかけ
  たかのつめ 1本
  オリーブオイル 大さじ2
  塩 少々
  しょうゆ 小さじ1/2
 ・作り方
  1.トマト缶を粗くくだいておきます。
   カット済みという缶詰の場合は不要。
  2.にんにくを均等な厚さにスライスし、
   たかのつめは4つ切りくらいに切って
   種を出しておきます。
  3.フライパンにオリーブオイルを入れ弱火にかけ、
   にんにくをきつね色になるまで揚げます。
  4.たかのつめをフライパンに入れます。
  5.すぐにトマトを入れ、ぐつぐつ煮ます。
  6.途中、塩で味を調えます。
  7.煮詰まってきたら、
   最後に隠し味のしょうゆを入れてできあがり。

 魚を三枚おろしにするあたりが、
 やや実用的でないレシピかと思いますが、
 興味のある方は是非挑んでいただければと思います。
 また、トマトソースですが、鉄のフライパンでは
 決して作らないようにしてください。
 ソースが赤茶色になり味もざらざら、
 さらに鉄のフライパンがトマトの酸で侵食されて、
 せっかくの「黒光りの表面」が台無しになります。
 こればかりは一般にテフロンのフライパンがお勧めです。
 アルミパンがあれば尚良いのですが。
 それでは、失礼いたします。(Kou(じ))


おお、いつもありがとうじゃ、Kou(じ)どの!
三枚、というあたり、たしかに自炊上級者向けじゃが
ムニエルのつくりかたの参考になるし
青魚でなくとも赤身魚の切り身にしたり、
イカや貝などにしたりして応用がききそうじゃ。
あ、ササミなんかでもうまいかも、な。



続いてはこちら。ドンドンくん(さん?)直伝!

●シカゴからの第三弾。
 中国からの友達DON DON(ドンドン)に教わった、
 ドンドンシャキシャキおじゃがつくりませう。
 材料は誰でも手に入る、
 ジャガイモ、ニンニク、生姜、油、塩、酢です。

 まず、食べようと思う時間の数時間前に下準備が必要です。
 夕飯どきに作ろうと思ったら、
 お昼の料理時にいっしょに
 片付けてしまうのがいいかもしれません。

 下準備
 皮をむいたジャガイモを薄くスライスして、
 更にそれを千切りにします。
 切ったそばから水にさらして、白濁した水を入れ替えます。
 ★ここでの注意
 千切りにしたジャガイモ。水にさらしている間に
 空気に触れると変色しますので、
 たっぷり目の水、プラスおもしを利用すると
 出来あがりが違ってきます。
 水にさらす事でジャガイモの中のでんぷん質を流します。
 ここがシャキシャキの決め手なので
 「栄養分がぁ〜」という心の
 もったいないお化けを無視しましょう。

 それではお料理開始!
 1) 生姜とニンニクをみじん切りにします。
   (分量はお好み)
 2)フライパン(できれば大きめの。さらにできれば
   中華鍋がグゥ)にたっぷりめの油をしいて、
   そこに1を投入。(火は弱火)
 3)ニンニクの香りがでてきたら、火を強火にして、
   水を良く切ったジャガイモを投入
 4)2分くらい炒めたら、ジャガイモ1に対して
   大さじ2から3くらいの酢をまわしかける。
   (酢は米酢よりも蒸留酢がいいかな。
    すっぱいのが好きな人は多めにどうぞ)
 5) 酢が全体にまわったら最後に塩で味付け。
   できあがり。
 注:間違っても塩を先に入れない事。
   塩がジャガイモの水分を出してしまうので
   絶対最後に味付けです。

 下準備は少々時間がかかっても、
 炒める時間は10分もかかりません。
 そのうえ出来あがったシャキシャキおじゃがは
 鼻を刺激するは、歯ざわり抜群だわで、
 なかったはずの食欲まで湧いてきちゃいます。
 もし満腹感が欲しければ千切りにしたハムや豚肉も
 合うと思います。アクセントとしてザーサイを加えても
 味に変化がつけられるでしょう。味付けも、最後の塩を
 しょうゆに変えてもいいかもしれません。
 自分好みに手を加えて楽しんでください。
 でもニンニクと生姜は忘れないでねぇ! 中華の要よぉっ!
 では SPICE UP YOUR COOKING LIFE!
 (Maki Suzuki)


おお、なんとも本格中国家庭料理のようじゃ!
これ、ジャガイモをちゃーんと水切りせんと
フライパンに投入したときにハネるで、気をつけるんじゃよ。
それに、酢。炒め物に酢、合うのう。
酢を使うと、塩分ひかえめでも
じゅうぶんに味が引きだせるという
メリットもあるな。



続いてはこちら。
なに? いま作ったばかりじゃとな?

●自炊老人様
 いつも楽しく読ませて頂いてます。
 今さっき、スゴイ料理を作ったので、
 居ても立ってもいられずご披露いたします。
 今日の私の冷蔵庫には2パックの納豆と
 冷凍庫にそろそろやばそうな挽肉が残っておりました。
 仕事に疲れて朦朧としつつ、
 「これ処分せにゃあ」と思って、作ってみたのが
 何と本日のメニュー、<麻婆納豆>です。
 作り方はいたって簡単。フライパンで挽肉を炒め、
 火が通ったら納豆を投入(ひき割りのほうがおそらく
 美味しいと思いますが、面倒なのでそのまま投入)。
 冷凍みじん切りネギを投入。
 そこへ、鶏ガラスープの素・トウバンジャン・醤油・
 オイスターソース・唐辛子・七味唐辛子・ラー油・胡椒・
 ガーリックパウダーを少量のお湯に溶かしたものを投入。
 納豆なので当然とろみは不要でした。
 見た目は相当グロテスクで、
 ゴミを増やしてしまったかと思いましたが、
 食べてみると、何と美味しい!!!
 ご飯のおかずとして最適です。 栄養もあるでしょう。

 私は麻婆大好きで、何度も試行錯誤しているうちに
 前述のような調味料の配合に到ったのですが
 (多分すごい邪道)、正しい麻婆の味付けを
 どなたかご指導ください。 
 自炊って楽しいんですけど、
 誰にも見られないと思うと
 時々とんでもない料理を作ってしまうのが
 悩みのタネですね。
 それでは。(Fumi)

 
わっはっは、わしも、時々、とんでもないもん作ることが
あるぞー。ひとりで食うときは、けっこう、それでも、
楽しく食えたりするもんじゃよな。
で、Fumiどのの麻婆納豆、これ、うまいと思う。
納豆と豚ひき肉を炒める、というのは、それだけで
じゅうぶんうまいのをご存知かな?
そこに、この調味料じゃから、まずいはずがないぞ。
それで麻婆じゃが、Fumiどのの麻婆、けっこう正解だと思う。
いわゆる四川ふうの麻婆豆腐の場合、
材料は豆腐、牛ひきにく、豆板醤、山椒、スープ(いわゆる
中華スープ)、かたくり粉、醤油、ニンニクの葉、と
材料はすごくシンプルじゃ。この山椒をおさえ、
ネギやショウガ、ニンニクなどを加えると
わりと一般的な麻婆になるからな。



続いては、お、カンボジアからとな!?!?

●自炊老人さま、
 年中真夏のカンボジアより、初めてのメールです。
 いつも「自炊くん」を読みながら、
 懐かしい日本の味を思い出しています。
 学生の頃から10年ほど自炊人で、「男は胃袋でつる」が
 モットー(?)なほど料理好きだったのですが、
 ここに赴任してきてから、偉そうにもメイドさん付きの
 生活になってしまい、台所に立つことも減りました。
 今では料理は週末の純粋な楽しみと、
 時々無性に食べたくなる日本料理の自力調達のみ。
 プノンペンで買える限られた日本の食材で、
 友達との酒のつまみを作っているこの頃です。

 フライパンひとつでできる、日本酒が恋しくなる
 お惣菜です。
立食パーティー続きで
 野菜が足りないような時にもよく食べます。
 暖かいのをご飯とお味噌汁とで食べるのも美味しいですが、
 味を少し濃い目にしたら、翌日のお弁当の
 おかずにもなります。

 材料は
  レンコン(中か大)1本
  セロリ 2本
  セロリの葉 ちぎってお茶碗1杯分ほど
  ベーコン 2枚ほど
  ごま油、醤油、みりん

 作り方は
 1. レンコンは皮をむき、
   1cmぐらいの厚さに切って水にさらす。
 2. セロリはざくざくと一口大にし、
   ベーコンも1cm幅ぐらいに切る。
 3. 熱したフライパンにごま油を少々入れ、
   ベーコンを炒め、油が出てきたところで
   水を切ったレンコンとセロリを入れる。
 4. レンコンが透き通って、火が通ったら、
   仕上げに洗ってちぎっておいたセロリの葉を加え、
   醤油とみりんをそれぞれ大さじ2
   (フライパン2周ぐらい)ずつ加える。
   調味料をレンコンによーく絡めたら、
   最後に風味づけにごま油を再度
   大さじ1ほど入れてできあがり。

 ベーコンとか、ごま油とか、さらにセロリも入れますが、
 なぜか和風な味で、しゃきしゃき、不思議な美味しさです。
 こちらでは小振りのハスしかないので、
 いくつも皮をむくのが面倒なのですが。
 この他にも、エリンギのような大きなクセのないキノコを
 バター・酒・醤油で炒めて、浅葱をちらすというような
 酒のおつまみもよく作ります。

 メイドさんの作ってくれる、
 クメール料理も美味しいけれど、
 やっぱり「じぶんちのごはん」を作るときには和食です!
 この間から「コロッケ地図」の読みすぎのせいか、
 今週末は美味しいポテトコロッケを作るぞ!と
 心に決めています。 自家製パン粉で頑張ろうっと。
 これからもたくさんのレシピをご紹介くださいね。
 特に凝った材料でないものほど有り難いです。
 楽しみにしています。
 プノンペンより。 (素)


おおお、なんだか胸を打つメールじゃのう。
レンコンとセロリとベーコンの炒め物、
ちょっときんぴらテイストなんじゃろうな。
で、やっぱ「醤油」がポイントなんじゃと思う。
鍋肌からじゅっとかけて立ち上る醤油の香りは、
「やっぱ和食でしょ」のだいご味じゃよなあ。
また、メールおくれな、素どの。



次はこちら。ふむ、おから!

●自炊老人様のレシピを見て思い出した、
 豆腐ハンバーグと似て非なるものを紹介いたします。

 材料
 おから     1カップ(ギュウギュウに詰めて、かな)
 胡麻(黒or白) 半カップ 煎っておく
 小麦粉     半〜1カップ 繋ぎなので
         おからの水分に合わせる

 これを薄く延ばして油で揚げて
 スナック風にいただくのもおいしいけど、
 茹でじゃがいもを2〜3個あるいは、
 すった山芋を繋がる程度の量を加え
 丸めてハンバーグのように焼きあげると、
 なかなかいけます。
 もちろん、肉、卵など入れるのもOKだと思います。
 (千早)

 
おからバーグじゃな! うまそう!
味付けが書かれておらんが、
うすく塩をしておいて、
かけ汁に、だしと醤油をベースに、みりんを加え、
水溶きかたくり粉でとろみをつけたものを合わせると
よさそうじゃな。



てなこって今日はここまで……、
じゃが、コラムもあるぞ↓!

★薬味通信★

今日もきとるよ、薬味メール!
ふたつ、ご紹介じゃ!

●あ〜。私もおいしいしらすでごはんが食べたい!
 自炊老人さんは、いつもとてもおいしそうですね。
 私もまけてられまへん。
 おいしい毎日はほんとうにしあわせですもんねぇ。
 今焼きたてのチョコレートとバナナとアーモンドの
 マフィンを食べながら読んでいたんですけど、
 (適当に作った割にはおいしくできたよ〜ん)
 薬味に入れてほしいのがナッツさん達です。
 素晴らしいごまはもちろん(ごまって何類?)
 松の実・アーモンド・カシューナッツ・くるみなど
 いろいろあると、便利だしおいしいのだ。
 定番では、とりとカシューナッツの炒め物とか、
 松の実入りの中華風炊き込み御飯、
 サラダにあぶったスライスアーモンドや
 適当につぶしたナッツ類を入れるとグーッです。
 胡麻和えのかわりにピーナッツやアーモンドの粉を
 つかうってのもまたよいのです。
 オーブンで鶏肉か魚と野菜のハーブ焼きなんかするときに
 カシューナッツなんかを一緒にのせておくと
 こんなに小さな粒なのに効いてるなぁと感心します。
 お菓子関係には欠かせませんが、
 おかずでも味のアクセントとなって
 喜ばしてくれること間違いなしです。
 ポイントは「香ばしい」かな?
 ではまた。(さくら)

 
おお、さくらどのも、そうとうなナッツ好きじゃな。
わし、茹でたピーナツをゴリゴリ粗くつぶして
小松菜のおひたしにかけるの、好きじゃよ。
ちなみにごまは、ゴマ科じゃ。
薬味として使われた最初の植物、と言われ、
古代エジプトの壁画にもゴマをパンに入れているところが
描かれているそうじゃよ。4000年も前じゃと。

ふたつめはコレ!

●はじめまして。
 いろんなレシピ楽しいですね。
 夕食のヒントにさせていただいております。
 我が家ではよく冷奴をするのですが、
 普通は薬味として、ねぎ・生姜・鰹節などを
 トッピングしますが、
 最近主人のお気に入りが、納豆とザーサイです。
 水気を切った豆腐の上に、
 ザーサイのみじん切りそして納豆を。
 好みで葱をのせ醤油をかけて食べます。
 納豆は添付の醤油・からしを混ぜ込んでおいて。
 ひきわり納豆でもおいしいですよ。
 またなにか思いついたらメールします。
 (ゆうきのすず)

納豆とザーサイ! これまた、ピータン豆腐にも合いそう。
冷や奴に何を合わせるか、というのを考えると、
薬味頭脳が働いて楽しいよなあ。
まえに、カリカリベーコンを、じゅうじゅう言う油とともに
ざっとかけたら、これまたうまかったよ。
(ネギもいっしょにな)

てなこってまた次回〜〜〜!

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「フライパンひとつ」への投稿はもちろん、
「薬味」や、
みなさんの得意なそのほかのレシピや、
自炊に関することがらのメールも、
じゃんじゃん お待ちしてます!
jisui@1101.comまでお送りくださいね。

TINTIN, SNOWY!♪
イラスト 小林ひろこ

 

2001-02-09-FRI

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