ひどい目日誌。 授業料を払ってこきつかわれる わたしたちの記録。 |
出るのか出ないのか? 鼠穴の怪異を検証する 担当:ハリグチ みなさんこんにちは。ムーン・ハリグチです。 本題に入る前にひとこと。 いやあ、きのうのルーキーさんの回はよかったですね。 すごく素直に自分を語った言葉で、 ちょっと感動してしまいました。 すでに仕事のスタイルを確立して、プライドもある人が、 ああいうふうに書けるというのは、 すごいことだと思います。 ほぼ日の効力、恐るべし。ですね。 ●これまで何があったのか さて、とうとう鼠穴に泊まり込んでしまいました。 今回は当然その顛末を記すわけですが、 まず、「ピタピタくん」「かさかさくん」以外に、 これまで鼠穴でどんな怪奇現象が起ってきたのか、 それをお伝えしましょう。 以下はもぎ・カエル部長による、 鼠穴で実際にあったエピソードの紹介です。 ============================================== その1.入居時、すでにお札が... 引っ越してきた当初、会議室のところに お札がはってあったが、 べりっとはがした。まだ跡ものこってるよん。 赤マル内がお札のあとです。 その2.毛布をかけてくれる女の人 以前鼠穴にいた人が、 夜中に、現在作業部屋と呼ばれている部屋に寝ていると、 「ふわっ」っと毛布をかけてくれた。 →ぜったいそのときに鼠穴には人はいないと ウラがとれてる。 その3.熱源のないところでプラスチックが溶ける 2Fの会議室に時計がありました。 ある日、会議中にdarlingが、 「おい、西田部長、時計とまってるぞ」と。 電池がなくなっちゃったかな?とおもって 時計をとりはずしてみると、 プラスチックのワクがぐんにゃり溶けて 秒針をとめていたことがわかった。 しかし、どこにもそのそばに熱源はないのさ。 あ、そうそう、まあいいや、っておもって その時計文字盤と針だけにして、しばらく つかってたんだけど、 このあいだまた時計がとまってて、 どうしたんだろっておもたったら、 今度は、針がとけて、文字盤にぺったりはりついていた。 →針と、ワクのプラスチックの融点がちがうってことは おおいにあるけれど、でもじゃあなんで、 最初に溶けたときに針はとけなかったの? その4.鼠穴のロプ・ノール ある秋の日、土曜日に金さんが会社にきてみると、 電脳室の前に忽然と湖が。。。 以前から冷蔵庫から水がもれるのは有名であったが、 こんどの水たまりは冷蔵庫からはあまりに遠い。 誰かがこぼしたのにきがつかなかったのでは? 「あんだけこぼせばバカでも気がつく」 ============================================== これ、全部ほんとらしいです。 コワイですよねえ。 とくに時計が溶ける、なんてのは、 考えただけで寒気がします。 ●いよいよ決行 そして木曜の夜、 前回、内山さんがご紹介した霊界グッズもそろえ、 いよいよ泊まり込み検証が始まりました。 ところがですねえ、 この日はスタッフの方もお忙しかったり、 darlingはdarlingで、鼠穴に遊びにきたベイちゃん、 そのお友だちの小松さんたちと話し込んでたりで、 なかなか皆さんお帰りにならない。 深夜1時を過ぎても昼間のようににぎやかです。 これじゃあ、出るものも出ないですよね。 だからとりあえず「待ち」の状態だったんですが、 そんな中、何通かの応援メールが届き始めました。 激励くださったみなさん、どうもありがとうございました。 代表で、田頭 聡さんのメールをご紹介しましょう。 AM1:17 ============================================== ひどい目隊の皆様、こんばんは。 ええと、今夜ですよね。泊り込み探検。 どうでしょう。何か怪異現象は起きたでしょうか。 以前、一方的に宣言しましたが これから1時間おきに応援メールを送ります。 (一部抜粋) ============================================== おお。1時間おきに応援メール。 なんと心強いことでしょう。 これに対するルーキーさんのお返事はこうです。 AM1:35 ============================================== 敬礼っ!!ひどい目隊の内山であります。 ただいまの時刻、1:35分。 3階および4階は、異常なしっ! 以上、報告おわり。 (応援ありがとうです) ============================================== これを見て、 こわがりのルーキーさんも、今日は乗ってるんだな、 と思って、ぼくは一安心しました。 ところがです。 そんなみなさんの激励を踏みにじるような、 とんでもないことが起ってしまったんです。 ●ええ〜っ、脱走した!? 2時すぎ、まだみなさんお帰りにはなりません。 勝負はまだ先だと思い、 ぼくはこたつに寝ころんで休んでいました。 するとそこに、うりぞうさんがやってきて、 こうおっしゃるのです。 「ルーキーさんがいないんです」 え、そんなはずは... と思ったんですが、 探してみると確かにいない。 そういえば、少し前、 なぜか帽子をかぶって下の階におりていく ルーキーさんを見たような気もします。 うりぞうさんも、なぜかGジャンをはおって、 そわそわしているルーキーさんを見ています。 さらに聞き込みしてみると、なんと。 ルーキーさんは金澤さんに、 鼠穴のカギまで借りているではありませんか。 以下は金澤さんの証言です。 金澤「いや、なんとなく変だとは思ったんですよ。 なんでカギがいるの? って訊いたら、 夜中に出かける人がいるかも……と、 ま、たしかにそりゃそーだと思って、 断るのもナンだし……」 これらを総合した結果、 darlingはじめ、その場にいた全員、こう確信しました。 脱走だ! そして口をそろえて 「バッカじゃないの〜!?」 の大合唱。 そんなにコワイかよ、みんなにいるのに。 とか、 子どもじゃないんだから。 とか、 もうぼろくそです。 脱走直後のルーキーさんの机。 いやただそれだけですが。 ●目的が変わっちゃった そんなこんなで、 みんなひとしきり笑ってたんですけど、 ここでハタと気がつきました。 ルーキーさんの行動を整理してみると、 応援メールへの返事を書いたのが1時35分、 ぼくらが脱走に気づいたのが2時すぎ。 この間にルーキーさんは脱走したわけですが、 なんとまあ、情けないハナシじゃないですか。 メールで、いかにもがんばってますよ、 という返事を出しておいて、 その舌の根、いやメールの根も乾かぬうちに、 ルーキーさんはいなくなってしまったわけです。 これはちょっと許せないですよね。 激励くださったみなさんに申し訳がたたない。 なんてフンガイしたフリをしながら、 みんな内心、 「これはおもしろくなってきたぞ」 と思っています。 もうこうなったら怪奇現象どころじゃない。 このときにはもうすでに、 やや邪悪な考えを軸にして、 みんなの心はひとつになっていました。 たしか3時くらいだと思うんですけど、 展開のあまりのバカバカしさにあきれたのか、 「オレ、帰るわ」と、 darlingは帰っていかれました。 それと入れかわるように、 ルーキーさんが戻ってきました。 いちはやく察したぼくらは、 3階のドアをロックしてしまいます。 階段をトントンと上ってくる音。 そして、がちゃがちゃとドアノブを回す音。 それがしばらく続いたあと、 「おぉ〜い... おぉ〜い...」 という、蚊の鳴くような声が聞えてきました。 「お願いしま〜す」とか、 そんなことも言ってます。 声の調子からして、どっかで一杯やってきたようです。 コワイのヤだから、酔ってごまかそう、 というもくろみだったんでしょうか。 脱走のみならず、酒まで飲むとは何ごとか。 そんなリクツをテコにして、 ぼくらのいたずら心は盛り上がってしまいました。 まず電灯を全部消しました。 3階ですべての階の電灯をオン/オフできるんです。 するとルーキーさんが点けなおす。 点けたはしから、ぼくらが消す。 そんな応酬がしばらくつづきます。 ルーキーさんがいる階段に近い壁をひっかいて、 「かさかさ」と音をさせたり、 ローソクの光で火の玉をつくる、 なんてこともやってみました。 わかりにくいけど、 ローソクに火をつけてるところです。 その間ルーキーさんはずっと、 「マジで恐いんすから。お願いしますよ」 とか、 「ああわかりました。そうですか。よくわかりましたよ」 とか、 いろいろ言ってましたが、 ふと気がつくと、静かになってしまいました。 酔ってるから寝ちゃったのかな?と思っていると、 ピンポ〜ン と呼び鈴が。 ルーキーさん、玄関に行ったんですね。 ここでシェフ・武井さんの芝居ダマシイに火がついた。 インタフォンの受話器を取り上げると、 いきなり岸田今日子さんのモノマネで、 「もしもし... どなたですか... わたくし、もう休んでおります... 明日またお越しください...」 これ、ルーキーさんには申し訳ないけど、 もう抱腹絶倒ものでしたよ。 ほんとにインタフォンに出てる最中に とったものです。 笑ってピントぶれちゃうかと思いました。 あとで訊いたんですけど、 このときのルーキーさんの受け答えが、 また可笑しい。 「あなたは誰なんですか!? 携帯の番号いくつなんですか!? もう、ほおんとに恐くなってきた」 携帯の番号、っていわれても。ねえ。 ●ネタ提供だったのか? こんなふうにして、ひどい目隊の泊まり込みは、 出る出ないという話とは、 ぜんぜん違った方向で終わってしまいました。 それにしてもルーキーさん、面白かったです。 しかし今、ふと気づいたんですけど、 もし、この脱走事件がなかったら、 どうなってたんでしょうね。 おばけなんて、そうそううまいタイミングで、 出てくれるとは限らないですもんねー。 すごいつまんない、悲惨な夜になってたかも知れない。 それを考えると、うそ寒くなってきます。 ん。 そうするとまさか、ルーキーさん、 自らを犠牲にしてネタを提供してくださったのか? 「こわがり」というイメージを振りまいたのは、 ネタふりだったんでしょうか。 うーん、そうなのか... それはしかし... 解明が待たれるところです。 |
2000-04-22-SAT
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