－－結婚相談アドバイザーって何をするのですか。
まずは、婚活という得体のしれない
重い荷物を下ろすお手伝いです。
過去の恋愛経験やときめく経験をお聞きしながら、
理性や理屈で固まった頭を、
感じる自分にリセットしていただきます。

笑顔がでてきたら、
その人の最高の部分を引き出して、
お見合いに送り出します。

例えば、初めての連絡って緊張しますよね。
ついつい、日時だけを伝えてしまいがちです。
でも、そこに息遣いを感じないと
異性とデートするワクワクな感情が生まれてきません。
嬉しい、優しい、楽しい、
「感情を表す言葉をメールや会話に入れてください」
と、言葉の体温をあげることをアドバイスします。

それから、出会いの経験を重ねると
もっと相手とうまくいくためには・・・と考え
自分を見つめ直すようになります。
そしたら、いいところがどんどん広がって、
出会いが次のステップへ繋がってきます。

－－どんな人が結婚相談所に来るのですか。
普通の方たちですよ（笑）
きっかけで多いのは、ネットからのアクセスですね。
夜中や日曜、夏休み、年末など
他者とのつながりがクローズアップされる時間です。
新聞広告を見て、親御さんが申し込む場合もあります。
例えば、40代後半の女性ライターさんの場合、
お父さんが亡くなったあとで、
お母さんが申し込まれました。
家に帰ったら、
結婚相談所のパンフレットが置いてあったそうです。
親の気持ちが分かって
入ってみようかな、
という気持ちが芽生えた瞬間です。

自分で動くのは抵抗があるけど、
お膳立てがあれば、流れに乗る感じもありますね。

－－第一印象がピンと来ない人との結婚もありますか。
好きな人の背中を追ってみたいですよね。
でも、共に長く生きていくパートナーは、
横を歩く人なんです。
横を歩く人には、信頼と安心があって長く一緒に歩ける
「ちょっと足らない」位の方がおすすめです。
ちょっとお腹が出ているとか、ちょっと年を取っているとか。
無理は続きませんが、楽は続きます。

出会いを重ねると『妥当』がわかってきます。
それは妥協とは違います。
男性だと、どの年齢層でも９割以上の人が
同じような希望を出されます。
若くてかわいい（笑）
でも、ちょっと厳しい言い方をすれば
断られるのも妥当なんです。
自分も不完全な人だから。
そこに気付くと、
相手の足らなさも受け入れられるようになります。
そして、それはデータの向こうにあるんです。

真剣で本気の出会いは素敵なことです。
思いや感情が相手に伝わると心を動かされます。
それは異性と出会いときめきを感じるという
シンプルな気持ちに立ち返ります。

－－うまくいく人といかない人ってどこが違うのですか。
一言でいえば、「素直」です。
私のアドバイスを楽しみながらすぐに実行できる人は、
早く決まることが多いです。
例えば、「チークはもっと明るい方が素敵ですよ」と言ったら
「やってみよう！」と、
帰りには、もう化粧品売り場に行ってるみたいな（笑）
人から言われることって、そうだなと思ってても
ちょっと行動に移さないところがあるでしょ。
そこを軽々と実行できる人。
また、この間成婚された３２歳研究職の男性は
「コミュニケーションが不器用ですから」と、
一度のお見合いで、すぐに他の紹介はやめて、
その方とお付き合いし、結婚を決められました。
そういう方は、
足るを知っていらっしゃるのです。

逆に「相手が変わればうまくいく」と
データですべてを判断して、
なかなか会うまでに至らない方もいます。
データとデートは違います。
会うことでしか伝わらないことの方が多いのです。

だから、今までの自分の先入観を全てリセットしましょう。
自分も選ばれる立場ですものね。

とはいうものの、やっぱり
容姿、年齢、資格は大きな要素です。
現実的には、女性は30代半ばまでが、
年齢で選ばれやすい一つのラインです。
女性にとって結婚は時間との勝負といえます。
お金は失っても稼げるけど時間は戻らない。
けれども、40歳をすぎても同性から見て
素敵な女性がたくさんいらっしゃいます。
自分磨きをしている人していない人、
大きな差でてくるのがこの時期ですね。

－－結婚相談所に行けば、ぴったりの人は見つかりますか。
ぴったりの人が、目の前に現れたらいいですね。
ぴったりの人は、想像の中だけには
しっかり存在していますけどね（笑）
それは、想像の人だから。
それまでに良い出会いがなかったとすれば、
それは、想定内でしか探していないからです。
出会いは今日までの想定外にあります。

－－結婚生活で大事なことって何だと思われますか
まずは話ができることです。
言葉って、自分は全て話したつもりでも
実は、相手には半分も伝わっていないものです。
心を尽くす簡単な言葉をたくさん伝えること。
「嬉しい」「楽しい」「好きです」
言わなくてもわかるって、
はぐらかしちゃだめですよ。

仕事には成果や正解があるけど、
結婚生活は永遠に未完成なんです。

現実的には、将来
病気や介護が必要になることもありますよね。
今は要らないと思っていても、
人生のどこかで「結婚」って
考えてもいいんじゃないかと思います。