もくじ
第1回 2016-11-08-Tue
第2回 2016-11-08-Tue
第3回 2016-11-08-Tue
第4回 2016-11-08-Tue
第5回 2016-11-08-Tue

私の好きなもの
「ポケモン」

担当・秋田英美

スキとキライって、紙一重だと思いませんか。
あの頃は苦手だった、食べものとか人とか街とかに、
大人になると、なんだか抵抗を感じなくなったり。
私にとって、それは「ポケモン」でした。

【私って?】
あきたえみ。両親は研究者。
転勤族の家庭で、4つの小学校を経験
(子どもながらに年賀状は当時300枚超え)。
研究所がド田舎にあるので、川でエビやヤゴをとったり、
山でツツジの蜜をすって遊ぶような女の子になりました。
いまは東京でWebメディアの編集をしています。

第1回

挫折をいつ経験したか、は人それぞれだと思います。
私のはじめての挫折は、5歳のときでした。
「あっ、えっちゃん(自分)は、ダメなんだ」
と思わず呆然としたあと、嗚咽をあげながら
子どもらしく泣き叫んだことを覚えています。
その原因が当時、大流行していたポケットモンスター
という冒険ゲームの、主人公のママによる序盤のセリフ。

「おとこのこは いつか たびに でるもの なのよ」

わたしって、おんなのこなんだ。

このセリフは、ゲームをはじめると
開始早々に聞くことができます。
クリスマスの朝、サンタさんから届いた
赤いゲームボーイポケットのスイッチをいれたら
すぐこの画面。

1996年は、現代のスマホゲームのように手軽なものは
ありませんでしたから、当時の保育園児には
電子ゲームなんてドキドキの存在。
そんなワクワクいっぱいの心臓が
「おとこのこ」というセリフで止まりました。

「えっちゃんはぼうけんできないんだ」
私(5歳)の人生はじめての挫折。
大人にとっては小さな悩みに見えると思いますが、
けっこう深刻に傷つきました。
(つぎにつづきます)

第2回