もくじ
第0回 2016-11-08-Tue

なにを食べるか。
なにを読むか。
毎日この2つで困っています。
書店員だったりイベントスタッフだったり
いろいろやっています。

わたしの好きなもの</br>本と漫画

わたしの好きなもの
本と漫画

担当・こまり

ほぼ日できちんと自己紹介をするのは初めてです。
こんにちは、こまりといいます。

本と漫画が好きです。
他にもたくさん好きなものはありますが、
本と漫画は特別に好きです。

生活スペースの1/4が
本と漫画のスペースになっているなと
書いている途中で気が付きました。
びっくりです。
それでも手放せず、
さらに買い集め続けてしまうぐらい
好きなのはなんでなんだろう。
考えながら書き上げました。

本が好きだ。漫画が好きだ。
この「好き」を自覚したのは小学生のときだから、
かれこれ20年ぐらいずっと好きなままかと思うと、
なんだかしみじみとしてしまう。
だけど、いまのいままで、どうして本や漫画が好きなのか
どうして好きな気持ちを20年もの長い間、
手放せないでいたのかと考えたことがあまりなかった。
いい機会なので、この「好き」の理由を考えていこうと思う。

わたしにとって、
本と漫画はわたしの手の届くところにあるもの。
部屋には本や漫画が散らばっているし、
出かけるときも、カバンに文庫本を一冊しのばせておく。
手を伸ばせばある距離にある、ということが
わたしには大切なのだと思う。

わたしは、本や漫画を買いあつめる。
読むだけなら、図書館で借りてくればいいのだけれど、
どうにも、本や漫画だけにはたらく収集癖のようなものが、
わたしにはあるらしい。
本屋さんに行き、とにかく店中をうろうろ行ったり来たりしながら、
いろんな本にさわる。装丁がいいとか、かわいいとか、
おもしろそうとか、何か引っかかるものを感じたら
どんどん買う。このときのわたしは、ずいぶんと積極的だ。
つい買いすぎてしまうほどに、前のめりだ。

本を買うとき、戸惑いがまったくないかと言えば
それは嘘になる。
毎月、本や漫画にあてる予算は決めているが
その範囲で収まったことは、ほとんどない。
本棚の容量だって、とっくのむかしにオーバーして、
床や机の上にも積んである。
さきほど、ざっと見回してみたら
部屋の1/4が本と漫画のスペースになっていて、
我ながらひどいありさまだと思った。
どおりで、読み返したくなったときに、
探すのに時間がかかるわけだ。
はっきりいってこれ以上は増やさないほうが
いいんじゃないかと思うけど、やめられないし、
しかも手放す気もさらさらない。
そしてわたしはもう必死になって、
選んだ本や漫画を買う理由をさがす。

世の中にはいろんな人がいて、
考え方や生き方もそれぞれにちがう。
いい出会いもあれば、最悪の出会いもある。
日常の中には、壁がいくつもあって、
乗り越えたと思ったらまた次の壁が立ちはだかり、
強くなったと思ったら、思わぬところで傷つけられたりする。
それは、本や漫画に登場する人びとも同じだ。
でも、彼らは、彼女たちは、なにがあっても前進し続けていく。

それから、本には物語だけでなく、
知識がたくさんつまっているものもあって、
それは著者や先人たちが長い年月をかけて
考え、発見したものだ。
それを一冊にまとめて、教えてもらえる。
やさしい言葉で語りかけてくれることも、
むずかしくてまだわたしにはわからないこともあるけれど、
たのもしいことこの上ないと、わたしは思う。

そうか。わたしが本や漫画が好きなのは、
これまでにそのときどきで、目指しているものや、
こうありたいと思っているものに近づけるアドバイスを
本や漫画から受け取ってこれたからだ。
ページをひらくたびに、
そこに生きている人びとの姿や
すばらしい発明のような知識たちに
日々の勇気や希望をもらいうけ、
わたしの血となり肉となっていくような、
人生を切り開いていくエネルギー源とさせてきた。
もうここまでくると切っても切り離せないし
(だって、血や肉はわたしの一部なのだから)、
生きるためには新しいエネルギー源を吸収する必要がある。
いまふたたび、そうか、と思った。
だからわたしは、本と漫画を買い集めているんだ。

きょうも、わたしは本屋さんに行く。
あいかわらず、積極的に本や漫画を買うだろう。
「好き」の理由が分かったから、もしかしたら
前よりも買うことへの積極性や前のめり度は
いくらかアップするかもしれない。
実を言うと、これを書いているいまは月末で
今月の生活費はちょっとピンチだ。
でもわたしにとって、これは必要経費。
これまでに買い集めた本や漫画も、
これから買うだろう本や漫画も、
ぐるっとつながって、
わたしのエネルギー源になっていく。

本が好きだ。漫画が好きだ。
手放せなくなっているぐらいに好きなのだ。