もくじ
第1回しあわせに生きる方法なんてたくさんある 2016-12-06-Tue
第2回ちょっとおまけをくれる鏡 2016-12-06-Tue

都内ではたらく24歳の編集者です。人と話すことが好きです。

自分のやりたいことがわからなくなったときの光の見つけ方

自分のやりたいことがわからなくなったときの光の見つけ方

担当・早川大輝

第2回 ちょっとおまけをくれる鏡

正直言うと、いま僕はどう生きればいいかわからない。
自分で肯定できる選択肢って指針があれば、
最低限生きていけると思ってました。
この先ずっと。

僕は周りと比べて、早くからやりたいことと言うか指針が決まってたから、

周りからも「いいないいな」とか「すごい」とか言われて。

やりたいと思うことに従って自分で勝手に動いてました。

だからこそ、いま何も見えなくなって、
何したらいいかわからない。

自分が何をやりたいのかわからないみたいに
悩んでる人をいっぱい見てきた。

その人たちはたぶん、大学に入ったときとかからずっと悩んでたと思うけれど、

僕はその経験がなかったから。いま初めてそれになった。

T
仮にだけど。俺が今から一年間あなたを養ってあげる。
その一年で何をやる?

――何をするかって言われて、一番最初に思い浮かんだのは、
話を聞きに行くんだと思うってこと。

それこそ、たとえば屋台とかやってるおっちゃんに、なんでこれ始めたんですかって。
世の中にはいろんな職業や人生を経験している人たちがいて、
そんな人たちに、

「なんでそれを始めたんですか」って。

ほかの道を選んでる自分を想像するかとか、
いろんな道のなかで、
どうしてそれを選んだのかとかたぶん聞きにいくんだと思う。

T
それ俺もやりたい。
生きとし生きて、
いまなにかに熱中できてる人って
いったいどういう風に生きてきたのかなって、
すごく聞きたい。

――うん。

T
もしかしたらさ、それに近いことを発信してくれるのがほぼ日かもしれない。

――いや、ある、確かにあるんだよ。
そういう発信してくれてる人はいるんだけど、
でもたぶん俺は自分で聞きたい。

T
そうなんだよね。
結局一対一で向き合って、
こっちが聞きたいし、
できればこっち向いてこっちの話も聞いてほしい。

――なんでだろね。

T
すがりたいんだよ。

――ああ、すがりたいのかなあ?

T
俺はね。

慰めがほしいとかじゃなくて、
いま幸せそうに生きてる人だって、
23とか24でぼんとたどり着いたわけじゃなくて、
俺らがいま悩んでることだって、
「そんなの俺もやってきたわ」
ってみんな言うだろうし。

――ああ、なるほど。

T
人の人生を見て、
ああ、正解を見つけるんじゃなくて、
そうやってあなたはつくってきたんだ。
じゃあ俺もつくっていくんだって
感覚になりたいんだと思う。

最後にTはこう言いました。

T
おもしろいよね。
こういう話って相手に言っているようで自分に言っているんだよね。
完全に鏡になってる。

――うん。

T
でも鏡だけど割れ目もある。
話せば話すほど、
共通点多いし考え方似てるなと
思ったけど、
一方で違う部分もあった。

その部分を聞くときって
素直に「へー」って思えた。

――確かにおもしろかった。

T
それが本物の鏡とちがう「人と話す楽しさ」だなあ。
きっと、ちょっとおまけをくれる鏡なんだと思う。

「ちょっとおまけをくれる鏡」

なんとなく、その語感が気に入ってしまった。

僕はまだ、迷子でどこに向かったらいいのか分からないままです。

でも、答えの欠片のようなものは見付けられた気がして、
だから大丈夫な気がしてます。

同じように悩んでる人のヒントになるかはわかりませんが、
ちょっとおまけをくれる鏡どうですか。