そんなことが1年以上続いていたある日、
一通のメールが届いた。
「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツ作りについて学べる
「ほぼ日の塾(80人クラス)」に当選したのだ。
このとき、ちょうど転職が決まっていたこともあり、
気持ち新たに仕事へ向き合うきっかけとして、
とてもうれしい知らせだった。
しかし、そうは問屋が卸さない。
ほかの同僚から、
彼女も「ほぼ日の塾(80人クラス)」に参加すると聞いた。
逃げ切るまで、あともう一歩だったのに!
なぜ、しかも「ほぼ日の塾(80人クラス)」で!?
とはいえ、当日は彼女とわたしを含めて
80人の参加者がいる。
「ほかの人に紛れてバレないだろう」とタカをくくっていた。
しかし、当日になって予想は大外れ。
80人って、ほかの人に紛れて身を隠せるほど多くない…。
彼女と鉢合わせしたら、どうしよう。
そう思いながら「ほぼ日の塾(80人)」に参加した。
講義の席も、昼食でも、彼女の声は聞こえるものの、
顔を合わせることはなかった。
「もう大丈夫だろう…」と思い始めた最後の懇親会で、
そのタイミングはやってきた。
懇親会で振る舞われたカレーの「おかわり」の列で、
彼女と鉢合わせたのだ。
彼女の目に、しっかりとわたしが映り込んでいた。
おかわりするとか、欲張るんじゃなかった!!!
しかし、すべては後の祭り。
ここまでくると、さすが避けるのは難しい。
覚悟を決めて、彼女に声をかけた。
「あれ、参加していたんですか!びっくりしました〜!」
非常にわざとらしい。
きっと、彼女の顔は歪むものだと思っていた。
でも違った。彼女は
「びっくりした!全然気づかなかった!!」と、笑っていた。
その後、わたしは退職して新しい会社に勤め始めた。
もう彼女とは会うことはないと思いきや、
「ほぼ日の塾(実践編)」で定期的に会っていた。
それどころか、毎回の課題について話すなど、
2人の雰囲気は和やかだった。
ブロック状態のFacebookもTwitterも、解除されていた。
しかし、なぜブロックされていたのかは謎のままだった。
「ほぼ日の塾(80人クラス))」は、
1,000人以上の応募から80人に絞られたのだと聞いた。
続く「ほぼ日の塾(実践編)」は、さらに40人に絞られる。
にも関わらず、彼女とわたしは選考を通過し続け、
席を隣にして同じ講義を受けている。
なんなら、講義後は2人で飲みに行くようにさえなっていた。
あれだけ避けてきたのに…。
これはもう、何かあるのだろうと思うしかなかった。