たくさんの靴が並ぶ玄関。
この光景が我が家のデフォルトになったのはいつから?
実家で暮らしていた頃は、ここまで重度じゃなかった気がする。
大学生になって、初めての一人暮らしで
わたしの家の玄関はおかしくなっていった‥‥。
大学デビューというカテゴリに入るのかもしれませんが、
改めて考えたら、中高と部活をずーっとやっていて
毎日制服で過ごしていたんだから、大学生になって
そのあたりに興味を持つのはしょうがない。
と、いうことにして、わたしの靴はどんどん増えていきました。
そもそもなんで靴が好きなのか。
私は甲高、幅広の典型的な日本人足だから、
幅が細いパンプスは履くことが難しい。
憧れはするからチャレンジはもちろんしたものの
結婚式に参列している途中で足が死亡、
二次会はカバンに忍ばせておいたバレエシューズに
こっそり履き替えたこともある。
このままじゃ歩けない!と思ったのです。
服ももちろん好きですが、靴は服以上に
見た目だけでなく機能性を求められるところに
萌えている気がします。
靴がないと、歩けない。どこにも行けない。
今回の課題を書くにあたって、改めて自分の
好きなものが多すぎる事態にぞっとしつつ、
懲りずに5年ほど前からは山にも登りだしました。
そこにもともと好きだった小説が合わさって、
山岳小説もおおよそ読破。
日本の山岳小説の巨匠、新田次郎の『劒岳 点の記』は
日本地図をつくるために未踏の地、飛騨山脈の立山連峰で
測量をする陸軍の測量隊の話です。
地図をつくるために劔岳に登る測量隊ですが、
まだ誰も登ったことがない、とされている山ですから
測量とは関係なく、登頂を狙う日本山岳会が現れます。
関係ないとは言いつつも、目の前には「初登頂」の賞勲。
陸軍VS日本山岳会、どちらが先に登るかの勝負も始まっていました。
昔ながらの装備しかなく、根性で山を登る測量隊。
それに反して、ヨーロッパ製の登山装備で、
最新技術を取り入れながら山を登る日本山岳会。
とても面白いので、結果はご自身で見ていただくとして、
どうしてこんなに山の話をしたかというと、
登山靴(トレッキングシューズ)は機能をこれでもか!
と詰め込んだ靴だからです。
登山靴の説明を見てみると、「機能・特徴」欄がすごいことに!
・防水
・マルチ・ディレクションラグ
・ヒールロック
・EVAフットベッド
‥‥まだまだありますが、今の靴は機能がすごい!
劔岳で測量隊をガイドした伝説の山案内人、
宇治長次郎の足元は足袋だったことで有名ですが、
昔の人たちはどうやって登っていたんだろう‥‥。
八甲田山雪中行軍なんかも有名ですが、
当時の冬山登山は装備も手探りの状態で、
藁で編んだ履物で登っていたそう。
凍傷待ったなしの、過酷な足元。
劔岳も今は山雑誌にも普通に紹介されており、
私の友人も去年ひょひょいと登っていました。
人がどこかの場所に行けるかどうかは、
靴の進化と共にあると思うのです。
(登山靴の話ばかりでしたが、つづきます)