〈プロフィール〉
Aさん(20代・女性)
筆者の友人。美人。
出会い系アプリを駆使し、男性と頻繁に会っている。
「外資くん」、「既婚者の君」、「他大のX年」など、
肩書きを元につけたあだ名で男を呼ぶのが特徴。筆者が大好きなエピソードとして
「採点カラオケで俺が勝ったらキスして」
と言ってきた男性と3本勝負を行い、
「天城越え」、「津軽海峡冬景色」、
「プレイバックPart2」で全勝。
何もせずにそのまま帰宅した話がある。
- ——
-
男性と頻繁に会っていた時は
どんな心持ちだった?「彼氏ほしい」みたいな?
- Aさん
-
なんかね、恋愛ってすぐ手に入るものだと思ってたの。
でも、現実はまったく違っていて。
会えば会うほど、遠のいて手に入らない存在だった。
- ——
-
うんうん、興味深い。
遠ざかったのは、何が原因だったと思う?
- Aさん
-
会うたびに、自分の理想が高まってしまうことかな。
前に会った「ゆうちょくん」の方がよかった、とか。
そういう時、もうどんどん欠点を見てしまう。
この人いいかもなぁ〜と思って結局ダメっぽいときも、
「まあ、この人こういう欠点あるし、まあいいや!
バイバーイ!」みたいな。
- ——
-
なるほど。
どこか欠点を見出して、粗探ししちゃうのか。
- Aさん
-
そうだね。
恐ろしいことに、相手が変わるたび
彼らの欠点が肥大化してるような気がして。
ああ、でも自分があまり興味ない人から
アプローチされているからかも。
- ——
-
欠点を見出すところまで分析できているんだ。
本当に境地に達してるね。
- Aさん
-
色んな系統の男に会いすぎてさ、
何かしらのマスターになった(笑)
テキトーに遊んでいるように思われるけど、
どこか恋に必死な自分がいるんだよね!
- ——
- ほほう、必死な自分。
- Aさん
-
最初から遊ぼうってスタンスでは会わないんだよね。
どこか「正規の彼女になれるかも」と思いながら
家を出る自分がいる。
でも、相手から真剣にこられすぎると引いちゃう。
吟味しすぎて「これで決めていいのか?」って思う。
病気かも。
- ——
-
ああ。
欠点を探して、サヨナラのきっかけを求めるのか。
- Aさん
-
そうなの。
遊ぶスタンスの男とはすごい親しくなれるんだけどね。
いざ自分が「好きー!」って感じになると、
連絡を取るにも、めちゃめちゃ慎重になって。
なんだりかんだりくり返して、
結局、自分が疲れて諦めちゃう。
- ——
-
そっか、疲れちゃうのか……
「恋愛」は疲れるのか……
- Aさん
- 好かれたいとはおもうけど、頑張りたくないクズ。
- ——
-
ああ、それわかるわ。
尽くしてもらいたいけど、めんどくさくなって
自分からは何もしたくない人だったから。
- Aさん
- うんうん、それだぁ〜
- ——
- なるほどなぁ〜〜

- Aさん
-
付き合う必要性とかも考えちゃうよ、ここまでくると。
そこまでして手に入れたいか? みたいに思うことある。
散々遊んでるけど、恋愛したくてもできない方だから
私は恋愛体質ではないのかな、って思うんだけど。
- ——
-
自然にできないから恋愛体質じゃないと。
逆に、恋愛体質ってどういう人なんだろう。
- Aさん
-
うーん、どうなんだろう。
たぶんお互いを高め合いたい、
自分の力でお互い変えていこう! っていうスタンス。
- ——
-
それはポジティブっていうのかな。
意欲的ではあるよね。
- Aさん
-
成長するために、お互い叱りあったりするんだろうね。
人生で一番大切なのは仕事と恋愛! というイメージ。
ちょっと私には考えられないけど。
- ——
-
じゃあ、今のAさんにとっての「恋愛」ってなに?
どんな存在?
- Aさん
-
今の私にとっては高級サプリメントみたいなものかな。
なかなか、手が届かないというか。
私、高級なものってさ、
欠点ばかりをすごくすごく見てしまうんだよね。
たとえば高い買い物をするときそうなんだけど、
高いからこそ高望みしてしまうというか、
ちょっと欠点があると手を出さないところがあって。
手の届きそうで届かない、
いらない、と自分で言いつつも
どこか必死で欲しがっているもの、かな。
まあ、なくても死にはしないからね(笑)
- ——
- そうか。なるほどね。
- Aさん
-
「恋愛」があれば、生活もイキイキするし、
仕事とか勉強とか逆に捗る方だから、
プラスαのようなものだなあと思うねぇ。
(つづきます)