もくじ
第1回男性と出会いまくる友人 Aさん 2017-12-05-Tue
第2回性に奔放だったライター Bさん 2017-12-05-Tue
第3回「絶対に終電を逃さない女」さん 2017-12-05-Tue
第4回恋愛ライター 花輪さん(あとがき) 2017-12-05-Tue

書く人。
ウェブコラムや広告記事の他に、趣味で「付き合って5年目の彼氏と別れた後悔」を前向きに綴っています。

「恋愛」って、なんですか?

「恋愛」って、なんですか?

担当・花輪えみ

第4回 恋愛ライター 花輪さん(あとがき)

〈プロフィール〉
花輪えみ (20代・女性)
恋愛コラム執筆歴3年目のライター。

執筆開始時に抱いた「恋愛とは?」という疑問に対して
未回答のままでいる状況に、一抹の不安を感じている。

——
ぼちぼち始めていきましょうか。
今回、三人の方にお話を聞いてどうでしたか。
花輪さんご自身の考えはまとまりましたか。
花輪
いや、それがですね。
皆さん、相手が私だからか良い意味で気を使わず
言いたい放題、思い思い語っていただいたので、
バシッと答えが出たわけではないんですよ。
 
明確な「1つの答え」みたいなものには、
残念ながら辿り着けませんでした。
——
「1つの……」と言いますと?
花輪
たとえばAさん、彼女はプラスα的な存在として、
安定剤の役割を持つものとして「恋愛」を置いています。
 
一方、終女さんは自然発生的な「恋心」同士の
関わりこそ「恋愛」であると捉えていました。
 
Bさんに至っては、もっと野性的な相性を
大事にしている感じでしたけれども。
——
ああ、たしかにそれぞれ違って聞こえます。
花輪
ですよね。
だから結果として、おそらく「恋愛」には
正解がないんだろうな、っていう答えが出ました。
——
非常に言いにくいのですが、至極あたり前のことに聞こえます。
お三方に話をうかがった意義はありましたか。
花輪
意義の大収穫ですよ。
だって「正解」がないからこそ、
恋愛について考える余地があるんじゃないですか。
 
あらゆる人が恋愛について考えを述べられて、
それが「正しい!」「正しくない!」の議論ができる。
これが、恋愛の姿だということがわかりました。
 
Webや雑誌には多くのコラムが存在していますが、
情報の取捨選択は、自由ですからね。
読んでくださる方ひとりひとりの自由。
 
私のような頭でっかち恋愛下手ライターが書く記事を
読んでくださる方もいれば、
ナンパされ続けてウン十年の熟練ライターの記事を
読みたいと思う方もいる。
 
これは「恋愛」のイメージが様々だからこそ、
できるスタイルなんです。
 
医療や税金のシステムのように正解がないからこそ、
みんなが思い思いに考えて、文章にできる。
 
これでいいのだ、と思いましたね。

筆者が「恋愛」を理解したく集めた書籍
筆者が「恋愛」を理解したく集めた書籍

——
なるほど。だから、花輪さんが恋愛を語れると。
花輪
そうですね。
ぶっちゃけ、書いていて自信がなかったんですよ。
「モテすぎちゃって困っちゃう☆」経験もない、
「彼氏いないと死んじゃう〜」状態でもない。
 
むしろ、恋愛からは遠い存在かもしれない私が
ライターとして存在していいのか、と悩んでいました。
 
「恋愛」ジャンルには、ライターが星の数ほどいますので。
花輪という名前で仕事を取っているわけではない、
私に書けることは誰でも書けるのでは、ということが
コンプレックスでもありました。
 
でも、そうじゃないんです。
むしろ誰にだって書けてしまうからこそ
「恋愛」ジャンルは魅力的なんです。
私にしか書けない「恋愛」があるわけですから。
 
恋愛から距離のある、
朴念仁の私だけの「恋愛観」が伝わる文章を
追求していきたいと心から思いますね。
——
では、そんな花輪さんにあえてお尋ねします。
「恋愛」とは、なんだと思いますか。
花輪
今回、三人のお話を聞いて、
もっとも答えに近いように感じたのは、
その人が幸せだと思う、他人との距離の在り方。
 
精神安定剤にせよ、感情の関わり合いにせよ、
相手との距離がそれらの感情を形成している。
私はそう感じました。
 
ゼロ距離でベッタリとくっ付いていたい方、
お互いにパーソナルスペースを保ちたい方、
それぞれいらっしゃると思います。
 
相手とその価値観を合わせるのもよし、
最初から合致する人を探すのもよし。
とにかく一緒にいて「心地よい距離」を保てる
手段や相手を探すことが「恋愛」じゃないかな、と。
——
わかりました。
大切な欠片を掴めたようで、よかったですね。
ありがとうございました。
花輪
こちらこそ、ありがとうございました。

(注:今回の対話はフィクションです)

(おわりです)