ブログのことを考えていて思い出したことがあります。
昔、私のブログを読んでくれていた知人に言われた
「ブログって自由に書いてるように見えるけど、
やっぱりどこか『人から見られる自分』をつくってるよね」
という言葉です。

言われた時、なんとなくドキッとしました。
けして、自分を良く見せようと思って書いていたわけでは
ないけれど、まるで嘘を見透かされているような気持ちに
なったのを覚えています。
たまに思い出しては、背筋が伸びるような言葉です。

自由に書いているように見えて、読者の存在を
どこかで気にして書いているのは事実です。
でも、それは羨ましがられたいだとか、憧れられたいとか、
いい人と思われたいとかとはちょっと違います。

じゃあ、この「自分をつくる」理由はなんだろうと思って
なんとなく浮かんだのは、
小さな舞台の上で語るようなイメージです。
襟を正して、よし、今から語るぞ、という感じが
どこかにある気がします。

ブログという舞台の上で、伝わってほしいと強く思うと、
無意識のうちに、完全に等身大な自分ではなく、
理想の自分というほど大げさでもない、
ちょっと背伸びした「つくった自分」が
あらわれるのかもしれません。
「ブログ」は私にとって、
自分が味わった感動や面白さを知ってほしい、
そして誰かに笑ってほしい、
小劇場のような場所なのだと思います。

どうやら、思っていた以上に私は
感動や面白さを誰かに伝えたいという思いが強いようです。
文章に関わる仕事をずっとしてきた中で
「書かないと生きていけない」なんてカッコイイことを
言えるタイプではないな、と思っていたのですが、
「伝えたい」という思いだけは強いことがわかりました。

ブログは、私の「伝えたい」を支えてくれる場所でも
あったようです。

（つづきます）