もくじ
第1回言葉を吐きだして歩く 2019-03-19-Tue
第2回セクシャリティのこと 2019-03-19-Tue
第3回自分の気持ち、他者の目線 2019-03-19-Tue
第4回それぞれの居場所 2019-03-19-Tue

きく、かく、えがく。そのどれもで生きていきたいと思う。今は聞き書き甲子園の運営などをしています。

いつも話さないことを話す日

いつも話さないことを話す日

担当・工藤大貴

大学に7年半通い、
今はNPOで非常勤スタッフをする27歳の僕。
東京大学大学院を2年休学し、
NPOでインターンをする24歳の永田くん。

生きづらさはいつの時代にもあると思うけど、
僕らもそれを確かに抱えています。

悩める青年だとかモラトリアムだとか、
そんな上澄みの下にはなにがあるのか。

東京の街を歩きながら、
普段は話しにくいことを話しました。

第1回 言葉を吐きだして歩く

僕はなにかに迷い始めると、やみくもに歩きだす。
散歩というほど可愛げのあることではなく、
あてもなく、2時間でも3時間でも歩く。

僕は普通の人よりも長いこと大学に通った。
仲の良い友達と東京中を歩いてたなぁ。
あの頃、歩いて話した内容は覚えていないけど、
その時間が好きだったことはしっかり覚えている。

現在の僕は自然教育系NPOの非常勤スタッフで、
経済的にも不安定な働き方をしている。
企業勤めの同級生の結婚を
どういう顔をして祝えば良いのかもわからないし、
自身のこれからの生き方にも迷っている。

あの頃を思い出して、歩こうと思った。

一緒に歩いてもらったのは、
同じNPOでインターンをしている大学院生の永田くん。

年齢が3つしか変わらない永田くんとは
似ているところもあれば、違うところもたくさんある。
違う点は、まず性格。

永田くんは、穏やかで、人の意見を否定しない。
NPOの学生ボランティアにもよく慕われている。
僕はといえば、
気に入らない意見は頑として受け付けないし、
親しい学生メンバーも多くない。

似ているところは、
たとえば学校や同級生への引け目というか、
「コンプレックス」を抱いているところ。
あるいは「セクシャリティ」について考えているところ。
だけど、机を挟んでいると話しにくかったりする。

27歳の僕と、24歳の永田くん。
生きづらさを抱えた二人が同じ景色を眺めながら、
普段話せないことをとりとめもなく、話した記録です。


(左が筆者、右が永田くん)

第2回 セクシャリティのこと