2019年3月6日、私は東京都目黒区の住宅街を訪れました。
その目的は、ある人に朝ごはんを教えてもらうこと!
ある人とは、こちら朴相顕(パクサンヒョン)さん。
東京のバーで働く、韓国出身のバーテンダーです。
私の突然の取材のお願いを、快く引き受けてくれました。
- ーー
- おはようございます!
- パク
- おはようございます。
なんか、朝っぽいかなと思って、
こういう髪と格好にしてみました(笑)。
- ーー
- そこまで考えてくれるなんて(笑)。
今日はよろしくお願いします。
- パク
- はい、よろしくお願いします。
- ーー
- では、早速。
今日の朝ごはんはなんですか?
- パク
- チョン・クック・ジャン。
- ーー
- チョン・・・ク・・・?
- パク
- はいこれなんですけど。
- パク
- 強いて言えば日本の納豆に似ています。
日本の納豆は生で食べるけど、
チョンクックジャンは鍋にします。
鍋にしたのも同じ名前です。
- ーー
- へええ。
- パク
- これ、発酵食品なので、独特な匂いがする。
- ーー
- 本当だ、納豆っぽい匂いがする!
- パク
- 韓国人の中でも好き嫌いがあるけど、
便秘とか肌に良い健康食品です。
冷凍してあって、納豆みたいにネバネバはしてない。
これ自体の味は塩味と、ちょっと辛いです。
あと醤油っぽい旨味もあります。
仕事の日は、自分で作って食べられないけど、
休みの日は時間があるから、
体のことも考えて、これかキムチチゲを食べます。
キムチは辛いから、だいたい夜。
朝はこれをよく食べます。
今日は、これで鍋を作りたいと思います。
ご飯も炊いてあります。
- ーー
- ありがとうございます!
- パク
- 韓国人て、やっぱりみんなキムチを食べるんですね。
パクさん、おもむろに冷蔵庫からキムチを取り出します。
- ーー
- おお!たくさん!
- パク
- あ、冷蔵庫はキムチだけじゃなくて、
お酒もあります(ビールを手にとって)。
- ーー
- (笑)
- パク
- これは白菜のキムチ。
キムチチゲを作るときには、これを使います。
- ーー
- なるほど。
- パク
- こっちが、カクトゥギと行って、大根のキムチ。
チョンクックジャンをつくる時はこちらを使います。
韓国のキムチは、けっこう酸味があって、発酵が進んでる感じ。
- パク
- で、普通の豚肉を油で炒めます。スープに旨味を出したいので。
パクさん、軽やかに鍋を振ります。
- ーー
- おお、華麗な手さばき。
- パク
- フリだけです(笑)。
そして、カクトゥギも入れます。汁も入れます。
- ーー
- あ、ジュージューいってきました。
- パク
- これが自分なりのポイントなんですけど、八丁味噌。
韓国も八丁味噌っぽいのがあるんです。
日本ので代用してますけど、これで旨味を足す。
ピピーピピーピピー。
- ーー
- ん?なんか音が?
- パク
- あ、ご飯が炊けました。
そしたら、これを入れます。お米のとぎ汁です。
- ーー
- ええ?!
- パク
- デンプンのエキスが、こっくりとした風味にしてくれます。
- ーー
- へえ!私、とぎ汁の使い方って、
筍のアク抜きくらいしか知りませんでした。
- パク
- さっきの味噌を溶かしていきます。
- ーー
- いい匂い!
- パク
- 30歳になって、あっさりしたものが好きになってきたんです。
味噌の味もついてるから、あんまり塩は入れない。
あとね、チゲは作ってすぐ食べるより、
一回冷ますともっと美味しくなります。
- ーー
- へえ、カレーと同じですね。
(ゴボウを晒した水を使うと、燻製風味になるそうです。つづきます)