「福岡の醤油の味は、東京のものとは違いますよね」
3月頭。
ほぼ日の塾の3回目の課題である
「自由にコンテンツを」のテーマを相談する場で、
祖母から教えてもらった「がめ煮」を
作ろうと思うと話をした。
そこで頂いたのが、冒頭のコメントだった。
その言葉で、東京で初めて寿司を食べた時、
醤油が妙にしょっぱく感じたことを思い出した。
福岡で刺し身を食べる時はきまって、
普通の醤油よりも濃い、
「甘い」さしみ醤油を使っていた。
その甘い醤油に慣れていたので、
寿司を食べる時に、しょっぱく感じてしまったのだ。
九州の醤油は甘い。
がめ煮を作るのであれば、やはり地元の醤油は欠かせない。
そう思い、がめ煮の準備のために、
醤油の調達に動き出した。
当然というか、予想通りというか、
福岡の醤油は、近所のスーパーには置いていない。
ならばと、「全国の名物を集めた」お店を探し、訪れるも、
置いてあるのは、実家で見たことのある醤油よりも、
高級で特別感を醸しだした福岡の醤油ばかり。
2軒お店を回っても見つけられず、
東京の醤油で妥協しようか…。
そう思いながらエリアを変え、訪れた3軒目が、
有楽町にある福岡県のアンテナショップ「ザ・博多」。
店内をぐるりと見渡したところ、
入り口左手の棚に、
実家で見たことのある醤油を発見!
(左が福岡のメーカー、ニビシの醤油。右がいつも使っている醤油)
無事、醤油を手に帰宅し、
「福岡の醤油が甘いのは、熟成の方法が違うのかな…?」
などと、醤油づくりに思いを馳せていたところ、
ふと、裏のラベルに目が留まった。
「水あめ」
醤油が甘いーー。
それはどうやら、特殊な製造方法のためではなく、
シンプルに、甘みが追加されていることが理由のようだ。
製造元も醤油が甘いことに、何らためらいはない。
パッケージには下記の説明が。
「ニビシうすくちしょうゆは、特にうまみとあまみをふやした、ソフトな味の色のうすい調理用しょうゆです。」
ちなみに、東京で買った醤油には、
水あめは使用されていなかった。
当初、買い出しから調理まで、
1日で終える予定だったが、
醤油探しに半日以上を費やし、
醤油の甘さの原因を突き止めたことで、
この日は満足し、力尽きてしまった。
調理は翌日に持ち越しに。
その他の材料は、近場のスーパーで揃え、
いよいよ、調理開始!