- 清水
- ここが社長室なの?
- 糸井
- うん。でも、ほとんどミーティングルームだね。
- 清水
- あ、そうなっているんだ。
- 糸井
- で、行く場所がないときはここにいれば。
- 清水
- なんとかなる(笑)。
- 糸井
- でも、それを知ってて訪ねてくる社員がいたり(笑)。
- 清水
- いいね、社長室なのに重厚感がなくて(笑)。
- 糸井
- ないね(笑)。
- 糸井
- ぼくね、清水さんについて、言ったり聞いたりしてみたかったのよ。
「清水さんってさ、どうだったの?」
みたいなこと、あんまり話せていない。
そういう典型の人が、清水ミチコ。
- 清水
- でも私も、聞きたいことがいっぱいあった。もともと。
- 糸井
- え、そう?
じゃ、清水さんから僕のところに質問が来たら
それはそれでしょうがない、っていう、ね。
- 清水
- しょうがないとは何ですか(笑)。
- 糸井
- どんな子だったんですか、清水ミチコは。
- 清水
- うん、私は、いい子でもなく悪い子でもなく、
パッとしないような子だったけど、
高校のときに『オールナイトニッポン』聞いたりとかして
だんだんそういうお笑いの世界みたいなのを….。
- 糸井
- パッとしていったわけ?
- 清水
- 自分の中ではね、パッとしていったつもり(笑)。
他の人はみんな恋愛している中で
自分だけがラジオで投稿を読まれたことに喜んでいて、
幸せを感じるポイントがちょっと違った。
- 糸井
- だけど、ラジオで選ばれたりするのって、
実はけっこう難しいことで。
- 清水
- そうかな。
- 糸井
- それができちゃったわけでしょう?
- 清水
- でも、そんなことばっかり考えてたからね。
青春時代ずっと(笑)。
- 糸井
- ハガキ職人ですよね、いわば。
- 清水
- そうそう。
- 糸井
- ハガキ職人のような大喜利は、今でもできるの?
- 清水
- ああー。今はもう、無理かもしれない。
そうやって試されるときが、なくなったから。
もう思いついたら、ライブのための
ネタにしてるっていうかね。
- 糸井
- ぼくは全然だめですね、思いつかないです。
- 清水
- ええ、そうなんですか。
- 糸井
- 松本人志さんがやっていた番組で、
おもしろいテストを作ったことがあったんですよ。
「第1回お笑い共通一次試験」って。
で、なぜだか僕もそれをやったんだけど、
ちっともおもしろくないの、自分が。
- 清水
- へえー。
- 糸井
- で、中でもはっきり覚えてるんだけど、
「一番ごっつ濃い鉛筆は何ですか?」って。
つまり、一般的には6Bまであるんだけど、
もっと上の鉛筆は? って。
- 清水
- いい質問ですね。なんて書いた?
- 糸井
- ぼくはもう、できないよ、って
手が止まっているわけ。
そしたら、松本さんの模範解答が「鬼B」で。
- 清水
- 悔しい(笑)。
- 糸井
- 悔しいよな(笑)?
- 清水
- 普通はできないんじゃない? やっぱり(笑)。
- 糸井
- でも、大喜利番組があるじゃないですか。
写真で一言、みたいな(笑)。
- 清水
- おもしろいよね。
- 糸井
- どうですか?
清水さん、もしゲストで呼ばれたら。
- 清水
- いや、無理ですね。やっぱりああいうことって。
- 糸井
- 清水さんは、できないですか。
- 清水
- できない。全然できない。
- 糸井
- じゃあ、清水さんのおもしろがらせる力は
いったい何なんだろう。