- 糸井
- ぬいぐるみは、なんか好きでさ。
- 清水
- へぇー。意外とメルヘンっぽいとこありますもんね、糸井さん。女の子っぽいというか(笑)。
- 糸井
- 女の子っぽいと言われてることを男もしちゃいけないのかなって気持ちがある。
- 清水
- そうだ、今の風潮だ(笑)。
- 糸井
-
そうかな?
以前ね、雑誌の「ダ・ヴィンチ」の編集長だった人がいて、一緒に本を選ぶ仕事をやってたんですよ。
で、彼は女の子とかオシャレみたいなものを選ぶんだよ。
- 清水
- うんうん。
- 糸井
-
その編集長に「それ、なんで選んだの?」って聞くと、「いや、かわいいなと思って」ってまず言うの(笑)。
それがもう、すげえなと思って。
- 清水
- 正直だね(笑)。
- 糸井
-
うん。
その正直さが、すごく気持ちいいわけ。
こうこう、こういうことでって説明して、「なんか女の子っていいなと思って」って言うんです。
- 清水
- 羨ましいんだ(笑)。
- 糸井
- それを素直に言える彼に対して、俺はすごく尊敬して、あのくらいのところまで行こうと思ったの。
- 清水
- ほう。そんなことがあったんだ~。
- 糸井
- うん、そう。

- 糸井
- このあいだ、よその人と話をしてて、「ほぼ日の人たちは、相手の人がちょっと何かいいこと言うと、『え、それどうやるの? 教えて』ってすごく素直に聞く」って言うわけ。
- 清水
- へぇー。
- 糸井
-
なかなかないんですよ、普通の会社は。
「うちのほうがすごい」って言いたいから。
- 清水
- ああ、そうかも。
- 糸井
-
あ、それはいいって。
ぼくも「教えて」ってタイプだから、そういうのが会社に乗り移ってるのはいいことだなと。
- 清水
- 似てくるんですよね、不思議と。
- 糸井
- 似てくるんだろうねぇ。

- 糸井
-
大昔にさ、ぼくがジムで筋トレをしていて。
どんどん前のめりにやっていって、清水さんに「ほら、ほら」って胸とかを突き出したら、「誰もあんたにそんなこと望んでない」って。
- 清水
- ひどいねえ、言いそう(笑)。
- 糸井
-
その一言が、なんて当たってるんだろうって(笑)。
ぼくはね、感動したんですよ、実は。
――――
そう。何度も言ってますよね、この話は。
- 糸井
- どうしてみんな気づいてないんだ、それにって(笑)。
- 清水
-
(笑)
あのね、私もその頃ね、ちょうど内山君に、「これ食べたら太るかな」つったら、「清水さんが太って困る人、どこにいるんですか」って、同じこと言われて(笑)
――――
同じことを言われた(笑)。
清水:
そう、その前後だったのかもしれない。
――――
あれを親しい人にもちゃんと言えるのは、ある種のプロデュースでもあるなと思って。
- 糸井
- うん、そうだよね。
- 清水
- そうなの~?(笑)。

(つづきます)
