「ほぼ日の学校」で、シェイクスピア講座の次に
テーマに選ばれたのは、日本の伝統芸能である歌舞伎です。
歌舞伎って、どうすれば
おもしろく観ることができるのかな?
と思ってらっしゃるみなさん!
入門にぴったりな一夜をご用意いたします。
手を貸してくれるのは落語。そして、
日本で最も人気が高い物語といわれる「忠臣蔵」です。
「忠臣蔵」の筋書きを知らなくても大丈夫。
海のように広い歌舞伎の入口をごくごくっと味わいに、
ゆかいな落語の船に乗ってみませんか?
江戸時代から300年近く愛されつづけ、
現在に至るまで(太平洋戦争終結直後を除いて)
演じられない年はなかったといわれる大名作が
「忠臣蔵(ちゅうしんぐら)」です。
いわゆる「かたきうち」の話です。
なぜ「忠臣蔵」がそんなにも大人気なのかについては、
ほぼ日の早野龍五サイエンスフェローが
こちらのコンテンツで語っています。
その「ぜったいにおもしろい話」は
史実がもとになっていて、江戸時代にフィクションとして
浄瑠璃や歌舞伎で幾度も上演されました。
ですから「忠臣蔵」は、
歌舞伎の入門としてはぴったりの出しものです。
しかし、歌舞伎の「忠臣蔵」は
上演時間がたいへん長く、フルにやろうとすると
朝から晩まで(または数日)かかります。
しかも、フィクションとして描かれているせいで、
登場人物の名前や設定が、史実とは少しずつちがいます。
例えば、
吉良上野介(きらこうづけのすけ)は
高師直(こうのもろのう)として出てきます。
場所も時代も別の物語の設定を借りています。
当時、タイムリーな事件をそのまま芝居にすることは
許されなかったからです。
ですから、ほんのちょっとではありますが、
「長くて、誰が誰だかもわかりにくいかな?」
というハードルが存在します。
でも、心配ご無用。
この日の「歌舞伎入門」では、
桂吉坊師匠による「芝居噺」の落語で
「忠臣蔵」の魅力を凝縮してつめこみ、
みなさまに一気にごくごくと味わっていただきます。
「はじめての人でも大丈夫なしかけ」を、
いくつか作っていますよ。
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をフルで観ようとしたら
12時間はかかるといわれます。
今回は、桂吉坊師匠による芝居噺で、
「忠臣蔵」のおもしろさを2時間で体感していただきます。
落語の芝居噺とは、
歌舞伎の見せ場を落語のお噺に取り入れて
落語家さんが何役もの人をひとりで演じていくもの。
落語の親しみある笑いが入ったうえに、
「忠臣蔵」の「いいとこどり」をするのです。
今回は桂吉坊師匠の芝居噺の幕間に、
ほぼ日の学校でHayano歌舞伎ゼミを行う早野龍五が
助けになる解説を数回入れていきます。
「忠臣蔵」は全部で十一段ありますが、
(「忠臣蔵」では一幕を一段といいます)、
下記のような「落語がたっぷり入った豪華構成」で
忠臣蔵の魅力を味わっていただきます。
一~二段目 早野龍五解説
三段目 吉坊師匠の落語
幕間 早野龍五解説
四段目 吉坊師匠の落語
五段目 吉坊師匠の踊り
六段目 早野龍五解説
七段目 吉坊師匠の落語
八~十一段目 吉坊師匠のお話
みなさまに、この日のための
オリジナル解説パンフレットをお配りいたします。
もしも会場に早く到着したら、
開演前にパラパラめくってください。
ちょっと深めに「芝居噺」を聴けるかもしれません。
終演後に「もっと知りたいな」と思ったときにも
お応えできるような情報が入っています。
ほぼ日の学校長、河野通和が選んだ
歌舞伎の「はじめてガイド」にふさわしい本を
ホワイエで販売します。
歌舞伎の知識や興味をさらに広げるために、
どうぞのぞいていってください。
歌舞伎で演じられた「忠臣蔵」の
ストーリーを知った帰り道、
「撮っときゃよかった!」と後悔することまちがいなし。
登場キャラクターである
「おかる」「勘平」そして「いのしし」の
フォトスポットがホワイエに設置されます。
写真をいっしょに撮っていってください。
歌舞伎の世界で古典に親しみはじめたら、
先行講座シェイクスピアクラスもおたのしみください。
2018年9月の1か月のあいだ、
好きなだけ視聴できる体験クーポンをさしあげます。
今後、Hayano歌舞伎ゼミのオンラインクラスも
公開される予定ですので、この機会に
ほぼ日の学校のオンラインクラスがどんなものか、
たっぷりお試しください。
「歌舞伎を好きになる」スタートの記念に、
「ほぼ日の学校」特製の金太郎飴を
みなさまにプレゼントいたします。
落語の「芝居噺」は、東京では残念ながら
いまではめったに観ることはできません。
上方からおいでくださる桂吉坊師匠の貴重な噺を聴ける、
たのしい夜になると思います。
落語という笑い船に乗り込んで、
みんなでいっしょに歌舞伎の入口にまいりましょう!
落語家。1981年生まれ。
17歳のときに桂吉朝に入門。
2000年より桂米朝のもとで内弟子修行。
2003年に内弟子を卒業。
歌舞伎や能・文楽などの古典芸能に詳しく、
芝居噺を得意とする。
なにわ芸術祭奨励賞、同新人賞、繁昌亭大賞奨励賞など
数々の賞に輝く。
2008年公開の映画「能登の花ヨメ」では
謎の旅人として映画デビュー。
著書に『桂吉坊がきく藝』がある。
兵庫県西宮市出身。
1952年、岐阜県生まれ。物理学者。
東京大学大学院理学系研究科教授。
2017年3月退官。専門はエキゾチック原子。
スイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、
反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方、
2011年3月以来、福島第一原子力発電所事故に際し、
自身のTwitterから現状分析と情報発信を行う。
音楽を通して子どもたちを育てる、
公益社団法人才能教育研究会
「スズキ・メソード」会長。
糸井重里との共同著書に
『知ろうとすること。』(新潮文庫)。
現在はほぼ日のサイエンスフェローをつとめる。