![](images/photo/ph_04_top.jpg)
![episode4. エグいけれどもおもしろいドラマ。](images/title4.jpg)
- ほぼ日
- それにしても海外ドラマって、
ものすごい金額がかけられてるんですね。
- 杉本
- 政治ドラマの『ハウス・オブ・カード』も
シーズン1で製作費が100億ですからね。
- ほぼ日
- 100億!
![ハウス・オブ・カード 野望の階段(2013-現在。本国ではシーズン3が最新)
ケヴィン・スペイシー演じる主人公フランクは、
ホワイトハウス入りを夢見てきた下院議員。
自分の支持候補が大統領になって夢が叶うと喜んだが、
新大統領をはじめとする権力者たちは
フランクを裏切って、その出世を阻んだ。
逆境に追い込まれ、かえって闘争心に火がついた
フランクは、「緻密な知略」と、
「平気で他者を犠牲にできる無慈悲な心」を武器に、
報復の戦いに飛び込んでいく。
製作総指揮は映画『ソーシャル・ネットワーク』の
デヴィッド・フィンチャー。](images/setumei_01_02.png)
- ジョージ
- あのドラマ、ホワイトハウスものとしては
秀逸よね。
「こんな政治ドラマって、いままであった?」
っていうような印象。
- 杉本
- もともと、90年代にイギリスのBBCでヒットした
『野望の階段』というドラマが元らしいんですが、
時代背景の変化でドロドロ感が増して、
ぐっと魅力が増したのかな、という感じですね。
- 原園
- あと『ハウス・オブ・カード』は
最初に全13エピソードを
一気にネットで公開したのも
話題になりましたよね。
- 杉本
- そうですね。
海外ドラマって、ふつうは毎週更新とかですけど、
『ハウス・オブ・カード』は
シーズン1の全話を一気に配信したので、
それも話題になったんです。
![◎シーズン1の全話を一気にネット上で公開
『ハウス・オブ・カード』はテレビ局ではなく、
アメリカのオンラインDVDレンタルの最大手
「Netflix(ネットフリックス)」が製作したドラマ。
同社は戦略として、製作していた
シーズン1(13話)を一度に全話公開し、
最初から全エピソードを
オンラインで見られるようにした。
これは、ドラマの新しい見方を象徴するような
放映方法としても話題になった。
ちなみに、そういった放映方法のため
『ハウス・オブ・カード』は
正確にはテレビドラマではなく
「インターネットドラマ」であるが、
作品の形式や質の高さ、人気などから、
テレビドラマ向けの賞も多数受賞している。](images/setumei_04_NETFLIX.png)
- ジョージ
- 主人公役のケヴィン・スペイシーって、
もともと舞台からやってきて、
映画でも活躍してて、今度はテレビでしょう?
すごいよねぇ。
![](images/photo/photo_04_01.jpg)
- 杉本
- そうですね。
2015年のゴールデングローブでも
ケヴィン・スペイシーが
主演男優賞を取りましたし。
- ジョージ
- あの意地悪会見!
「絶対ケヴィン・スペイシーの本性は
これだったんだ」って思うもん。
『ユージュアル・サスペクツ』で
ケチな詐欺師だったケヴィン・スペイシーは、
成長して、きっとこうなったんだ。
- 原園
- そう、あれは敵に回したくない(笑)。
![◎2015年のゴールデングローブ賞
ゴールデングローブ賞(GOLDEN GLOBE AWARDS)は
毎年1月下旬に発表される、
前年1年間のアメリカ合衆国の
映画とテレビドラマ作品に対して与えられる賞。
ハリウッド外国人映画記者協会会員の投票により選定され、
アカデミー賞の前哨戦としての注目度も高い。
◎ケヴィン・スペイシーの意地悪会見
『ハウス・オブ・カード』の意地悪な主人公
フランク・アンダーウッドを演じるかのように
「これは私の復讐のはじまりです」
と話しはじめ会場の笑いを誘った、
ケヴィン・スペイシーの主演男優賞受賞コメント。
「これは私の8度目のノミネートです。
今回、自分が受賞をしていることが
私はまったく信じられません」
という内容を、侮蔑用語たっぷりに話したコメントは
オンラインニュースでも多くとりあげられた。](images/setumei_04_golden.png)
- ジョージ
- だけど『ハウス・オブ・カード』は政治ドラマだけど、
フランクみたいなヤなやつ、普通にいるもんね。
人の前ではニコニコしてるけど、
心の中では「ペッ!」ってやってるの。
ほかにも「いるいる!」って感じのやつが多くて、
純粋さゆえにダメになっていくやつもいるし。
![](images/photo/photo_04_04.jpg)
- 杉本
- それは、ピーター・ルッソのことですね。
- ほぼ日
- ただ政治の話というだけじゃなく
周りの人に置き換えて見られるというのも、
おもしろいんですね。
- 原園
- あと、あのドラマ、ビジネスで使える
格言みたいなのも入ってますよね。
あれも妙に納得させられて、おもしろい。
- ジョージ
- そう、意地悪なケヴィン・スペイシーが、
カメラ目線で言う、エグい一言!
あれ、言いたいんだなと思って。
![◎意地悪なケヴィン・スペイシーが、
カメラ目線で言う、エグい一言(の一例)。
For those of us climbing to the top of the food chain,
there can be no mercy.
There is but one rule: Hunt or be hunted.
(食物連鎖の頂上に登ろうとしている我々に、
情けなんてあってはならない。
ただ1つルールはある。狩るか、狩られるかだ)
A lion does not ask permission before he eats a zebra.
Lions cannot talk and zebras will not listen.
(ライオンはシマウマを食べる前に許可なんてもらわない。
ライオンは語れないし、シマウマだって聞かないだろう)
Friends make the worst enemies.
(友人が最悪の敵を作る)](images/setumei_04_hitokoto.png)
- 杉本
- エグいんですけど、おもしろい。
シーズン2の1話がまた‥‥って、
今日は言えないですが(笑)。
- ジョージ
- うん、あそこも良かった。
まぁみなさん、これも見て、見て!
- 杉本
- 『ハウス・オブ・カード』がすごいのが、
まさにいま流行りの
「ビッグデータ」を元にした作品、ということで
注目されたドラマでもあることなんです。
どういうことかというと、
この『ハウス・オブ・カード』は
「Netflix」というオンラインDVDレンタルの会社が
作ったドラマなんですね。
それで、なんと、
彼らが長年にわたってユーザーから収集してきた
大量のドラマ視聴情報を元に
「人はどんな展開を好むのか」などを
徹底的に分析して作ったドラマらしいんです。
- ほぼ日
- うわぁ、それはすごい。
- 杉本
- さらに、あのドラマでやったことが
そのまま現実の政治で
実際に起きていると言われてるんです。
ドラマの中で、ほんとうに
現実の事件の先読みをしてるようなこと
ばっかりが起こるんで、
正直、怖いんですよ。
![](images/photo/photo_04_02.jpg)
- 原園
- うん、あれは怖い。
- ジョージ
- ‥‥逆に、ビッグデータそのものが
ドラマの主題になってたのは、
『パーソン・オブ・インタレスト』ね。
いままでのありとあらゆる予知ものドラマが
ここまで来ましたか、って感じよね。
- 杉本
- あれはまさに、ドラマ自体がそのまま
ビッグデータの話なんですね。
いままでは海外ドラマにおける「未来予知」って、
誰かの「未来が見える能力」とかだったのが、
あの作品は
「ビッグデータで未来の事件を予知する話」だから。
![パーソン・オブ・インタレスト(2011-現在。シーズン4が最新)
元CIAエージェントのリースと
ソフトウェア開発で財をなした大富豪のフィンチが
ふたりでタッグを組み、
町中のあちこちに設置される監視カメラの
ビッグデータをもとに、
まだ起きていない「未来の犯罪」を防いでいく物語。
基本的に1話につき1事件で、
逆転の発想から生み出される斬新なストーリーは
このドラマ独自のおもしろさがある。](images/setumei_04_person.png)
- ジョージ
- ボクね、このドラマ見ながら、
「もしかしたらこれ、いまもう可能かもな」
って思っちゃったわよ。
- 原園
- うん、すでに起きてそうですよね。
「すべてのメールが政府にチェックされてる」
とか
「あちこちの監視カメラが連動していて
すべての人が監視されている」とか。
- 杉本
- 現実とつながっている話といえば、
『ホームランド』って、ご覧になりました?
- ジョージ
- 見た!
‥‥というか、いままさに、
シーズン4を見てるところなんです。
だからいま、もう、おもしろくって!
- 杉本
- うわぁ、いいなぁ!
ぼくも早くシーズン4を見たいんです。
![](images/photo/photo_04_03.jpg)
- 一同
- (笑)
- ほぼ日
- 『ホームランド』は、どんなドラマなんですか?
- 杉本
- CIAの話なんですが、
これもすごくハマるドラマなんです。
リアルすぎて、ちょっと怖いんですけど。
![HOMELAND/ホームランド(2011年~現在、シーズン4/継続中)
イラク赴任中に行方不明となっていた
アメリカ兵ニコラス・ブロディが、
9年ぶりに救出され、英雄として帰還した。
だが彼は捕まっていたあいだに
イスラムのテロ組織に完全に洗脳されていて、
ひそかに母国アメリカへの反逆をはじめようとする。
ただひとり、CIAの女性捜査官
キャリー・マティソンだけが、
彼がテロリスト側に寝返ったという情報から、
彼の反逆に確信を持ち、止めに走る。
ただ、彼女の言葉はCIAの上司には信用されず、
事態はより複雑に絡み合っていく。](images/setumei_04_homeland.png)
- ほぼ日
- おもしろそう。
- 杉本
- おもしろいです。
あと、そのCIAの女性捜査官役が
映画の『ロミオ+ジュリエット』で
レオナルド・ディカプリオと共演していた
クレア・デインズなんですが、
彼女の演技がすさまじいんですよ。
狂気じみていて、見ていておそろしいほどで。
- 原園
- あと、ハラハラするのが、
アメリカじゅうがその救出された元兵士を
「英雄として称えている」ところなんです。
副大統領が会いにきたり、テレビに出たり。
![](images/photo/photo_04_06.jpg)
- ジョージ
- だけどあのドラマを見てると、
どんどん感情が吸い取られていくでしょう?
あの元兵士になっていくんだよね。
- 杉本
- なりますね。
その洗脳されていたアメリカの元兵士、
彼の心の動きが、すごく伝わってくるんです。
- ほぼ日
- 心の動きまで伝わるなんて、
相当、演技がうまいんでしょうね。
- 杉山
- ええ、うまいですよ。
- 杉本
- なんか最近CIAもののドラマとかが
多いじゃないですか。
ぼく、大好きだから全部見てるんですけど、
怖い時があるんですよ。
先日『イベント』というドラマを一気に見たんですが、
「もしかして自分はあっちの世界の人なのかも」
って思えてきたりして。
- 原園
- あっちの世界の人(笑)。
- 杉山
- 『イベント』って、どんな話でしたっけ?
![](images/photo/photo_04_05.jpg)
- 杉本
- このドラマこそ、ネタバレしないのが
ものすごく難しいんですが、
1944年にアラスカの山脈で何かが起きたんです。
その何かが世界を変えていく可能性がある。
‥‥そのくらいしか言えないんですけど、
でも、おもしろいです。
- 原園
- 最初は謎がまったく明らかにされていなくて、
すこしずつわかっていくタイプのドラマなんです。
「何が起きたんだろう」というのが
気になって、つい見ちゃう作品なんですね。
![THE EVENT/イベント(2010~2011年、シーズン1全22話/完結)
行方不明の恋人を探す主人公の物語を縦軸に、
横軸として大統領暗殺計画やエイリアンの話など、
謎が謎を呼び、さまざまな事件が入り乱れて
展開していくサスペンスアクション。
場所と時系列が入り乱れ、
登場人物がめまぐるしく切り替わる
スピーディーで予測不可能な展開に息を飲む。
『24(トゥエンティーフォー)』で製作総指揮を務めた
エヴァン・カッツが製作総指揮を務める。](images/setumei_04_event.png)
(つづきます。)
![うれしいことに、連載開始とともに、
たくさんのかたによるおすすめ海外ドラマ情報が
ぞくぞくとメールで届いています。
そこで、突然ながらみなさんからのメールを
一部ご紹介させていただくことにしました。
担当は「ほぼ日」の海外ドラマファンの
モギ&田中です。](images/column_title.png)
![](images/naiyou_top.png)
最近は「ダウントン・アビー」を
真剣に見ていました。
セットではない本物の貴族の屋敷を見られますし、
当時の衣装も豪華で素敵です。
ストーリー展開も飽きさせないし、
たくさんの人物像が生き生きとして
見事だなぁ!と感心してしまいます。
(kuro)
真剣に見ていました。
セットではない本物の貴族の屋敷を見られますし、
当時の衣装も豪華で素敵です。
ストーリー展開も飽きさせないし、
たくさんの人物像が生き生きとして
見事だなぁ!と感心してしまいます。
(kuro)
![](images/naiyou_bottom.png)
![](images/column_top_mogi.png)
「ダウントン・アビー」はあれですよ。
あるお屋敷を舞台にした、
貴族と召使たちの多層構造のメロドラマです。
あるお屋敷を舞台にした、
貴族と召使たちの多層構造のメロドラマです。
![](images/column_bottom_mogi.png)
![](images/column_top_tanaka.png)
つまり、いろんな男女が出てきて
くっついたり離れたり、トラブルが起きたりとか。
くっついたり離れたり、トラブルが起きたりとか。
![](images/column_bottom_tanaka.png)
![](images/column_top_mogi.png)
そうそう、だから女性向き?
いや、男性が見てもおもしろいと思うんだけど、
とにかくストーリーがドロドロで
たいへんおもしろいお話です。
いや、男性が見てもおもしろいと思うんだけど、
とにかくストーリーがドロドロで
たいへんおもしろいお話です。
![](images/column_bottom_mogi.png)
![](images/naiyou_top.png)
「ブラックリスト」と「スコーピオン」、
よろしくお願いします!!
(房子)
よろしくお願いします!!
(房子)
![](images/naiyou_bottom.png)
![](images/column_top_tanaka.png)
「THE BLACKLIST/ブラックリスト」は
調べてみると、
「国際的な凶悪犯罪に関わって
指名手配されていた
レッド・レディントンが、
突如FBIに出頭し、
自分が関わった凶悪犯罪事件の犯人の
"ブラックリスト"の情報に基づき、
事件解決に協力すると申し出る」
という話だそうです。
調べてみると、
「国際的な凶悪犯罪に関わって
指名手配されていた
レッド・レディントンが、
突如FBIに出頭し、
自分が関わった凶悪犯罪事件の犯人の
"ブラックリスト"の情報に基づき、
事件解決に協力すると申し出る」
という話だそうです。
![](images/column_bottom_tanaka.png)
![](images/column_top_mogi.png)
つまり、FBIに悪の大物が出頭してきたけど、
実際に良いやつか悪いやつなのかは
どっちなんだ? やきもきやきもき。
という話ではないでしょうか。
‥‥おもしろそう!
実際に良いやつか悪いやつなのかは
どっちなんだ? やきもきやきもき。
という話ではないでしょうか。
‥‥おもしろそう!
![](images/column_bottom_mogi.png)
![](images/column_top_tanaka.png)
「スコーピオン」のほうは
犯罪捜査ミステリー、とありますね。
「トータルIQ700の天才集団が、
最新テクノロジーを駆使して難事件に挑む」
ものだそうです。
これもおもしろそうですね。
犯罪捜査ミステリー、とありますね。
「トータルIQ700の天才集団が、
最新テクノロジーを駆使して難事件に挑む」
ものだそうです。
これもおもしろそうですね。
![](images/column_bottom_tanaka.png)
![](images/column_top_mogi.png)
それぞれのキャラが立っていて
力を合わせて解決、という感じ?
「スコーピオン」も、チェックします!
力を合わせて解決、という感じ?
「スコーピオン」も、チェックします!
![](images/column_bottom_mogi.png)
![](images/naiyou_top.png)
海外ドラマの話題で滅多に上がらない、
「NCIS」が話題にのぼり大変嬉しく思います。
「NCIS」は今年9月から
シーズン13がスタートするのですが、
放送局のCBSは視聴者数が
ある程度(だいたい10M以下)下がってしまうと
すぐ打ち切る放送局です。
だから、その局で、シーズン13まで続くのは
とても凄いことなのです。
(Saji)
「NCIS」が話題にのぼり大変嬉しく思います。
「NCIS」は今年9月から
シーズン13がスタートするのですが、
放送局のCBSは視聴者数が
ある程度(だいたい10M以下)下がってしまうと
すぐ打ち切る放送局です。
だから、その局で、シーズン13まで続くのは
とても凄いことなのです。
(Saji)
![](images/naiyou_bottom.png)
![](images/column_top_mogi.png)
ほかにも書いてくださってますね。
「余談ですが、『NCIS』の視聴者数は
アメリカで5年ほどずっと1位でした。
いまは同じCBSの
『ビック・バン・セオリー』が
全米1位になっていますが、
世界中で配信されている「NCIS」は
最近では世界で1番見られている
ドラマになっています」
だそうです。
「余談ですが、『NCIS』の視聴者数は
アメリカで5年ほどずっと1位でした。
いまは同じCBSの
『ビック・バン・セオリー』が
全米1位になっていますが、
世界中で配信されている「NCIS」は
最近では世界で1番見られている
ドラマになっています」
だそうです。
![](images/column_bottom_mogi.png)
![](images/column_top_tanaka.png)
いま全世界で一番見られている番組は
この「NCIS」。へえ~!
この「NCIS」。へえ~!
![](images/column_bottom_tanaka.png)
![](images/column_top_mogi.png)
それはすごいことですね。
毎日気になるドラマが増えて、
とても嬉しいです。
毎日気になるドラマが増えて、
とても嬉しいです。
![](images/column_bottom_mogi.png)
(コラムも、つづきます)
2015-06-12-FRI