十年以上も前に抜歯した際に歯の根っこが抜けきらず
歯肉の中に異物として取り残されていたため
徐々に膿がたまって限界に達して腫れたのだそうで
切開して掻爬 (かき出す) ことになりました。
それだけで恐ろしいのに
大学病院は教育機関でもあるため
めずらしい症例だから、と
たくさんの歯科医が集まってきたのです!
大きく開けた口が閉じないように
器具で固定された状態で
代わるがわるのぞき込まれながら、施術スタート。
麻酔の注射を何本も打たれたのに、
患部に近づくにつれて痛みがひどくなってきて
「ここからは麻酔がきかないから頑張って」
と言われたのですが
長い耳かきのような器具で
グリグリ歯肉の中をかき回されるのですから
かつて体験したことのない、
表現しようのない痛みで、頑張りようがありません。
こらえようとしても、あまりの痛みに涙が出てきて
しまいには、ヒクッ! ヒクッ!
と喉の奥からしゃくり上げてきてしまい
身体が動いて危ないから、と施術中断。
「泣いていいですよ」と
口を固定していた器具をはずされ
たくさんの医師に囲まれている中で、
ひぃ~ん、とひとしきり泣き
落ち着いたところで施術再開。
「そこに見える白いのは?」
「ああ、これはコツ (骨) ですね」
などと恐ろしい会話が飛び交う中で
必死に痛みに耐えること約1時間。
ちなみに、切開のあと縫ったところが癒えても
口を固定していた器具で
ピリッと切れた唇の両端はなかなか癒えず
油断してアクビをするたびに
ピリッと血が出て2か月近く治りませんでした。
もし口を固定する器具が使用されるようなら
その後のケアに十分注意して下さいね。
(まる) |