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では、どんどん 降りていきましょう。 |
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寄り道は危険ですね。 | ||||||||
 ひとりも遅れをとらないようにしましょう。 |
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| ── | つるっ！ ワア、根っこって すべりますね。 |
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そうねぇ、木の根っこって すべるんだねぇ。 ころりころげた きぃのぉねっこぉ～。 ね、ね、いま、やまびこが 返ってこなかった？ |
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そう？ やっほー。 |
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 よく考えたらやまびこが返るような 場所ではなかったのですが。 |
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やっほっほー！ | ||||||||
| ── | すぐ下の階段を 降りてるみなさんが ものすごくこちらを 見上げてらっしゃいますよ。 |
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驚かせちゃいましたか。 | ||||||||
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もう、薬王院の境内まで 戻ってきましたね。 |
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ハタナカさん、 凶のハタナカさん！ あそこにおみくじを結ぶところが ありますよ！ |
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| ── | 今日の凶を結びましょう。 | ||||||||
 ハタナカさんが 凶を結びましたらば。  全員が四天王門に 飛び込みました。  雨脚がふつうじゃなくなったのです。 |
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ひゃー。 これじゃあ、進めないねぇ。 山門で、 朝まで雨宿り‥‥ |
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| ── | いやです！ | ||||||||
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そういえば、昨日 土砂崩れがあった、と おっしゃってましたよね。 |
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まずいですね。 | ||||||||
| ── | なにしろ、門の中には。 | ||||||||
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四天王様が。 | ||||||||
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いろんな色の四天王様と いっしょに雨宿り。 |
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| ── | みなさん、雨具は、 持ってますか。 |
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ぼくは、傘が。 | ||||||||
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ぼくは、あの 暑くてたまらないカッパが。 |
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ぼくは、さきほども言いましたが、 ありません。 |
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| ── | ぬれなさそうでぬれてしまう上着と 傘をひとつずつ持っていますので、 オイカワさんに傘をあげます。 折りたたみ傘で不安ですけども、 これで乗り切ってください。 |
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ありがとうございます。 | ||||||||
 雨が、大がかりに ざあああ、といってます。 |
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予報では、 天気はもつってことだったんだけどなぁ。 |
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頂上でアリを 捕まえたからじゃないんですか？ |
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山のものを盗ったから 神様がお怒りになったんじゃないでしょうか。 |
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 ののしりあう一団。 |
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護摩祈祷のお札に入った神様も 持ってきちゃったから？ あ、神様は、分身だからいいのか。 |
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 大雨に視界を遮られながらも 各々の雨具を心の頼りにして 山を下ります。 |
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（雨がザーザーしてるので、大声で） あ！ ここ、前にも来たよ！ |
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| ── | みんなもです！ 単純に、帰り道なんで！ |
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あ！ ここ、天狗が座った杉だって！ |
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 「天狗の腰掛杉」と書いてあります。 |
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どこに座ったんでしょうねぇ？ | ||||||||
| ── | ‥‥‥‥。 （ザーザー） |
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‥‥‥あそこ‥‥ じゃないかなあ、 ちょっと枝が出てるから。 |
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| 全員 | ‥‥‥‥‥‥。 （ザーザー） |
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| ── | 行きましょう！ | ||||||||
 浄心門まで戻りました。 |
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ここ、前に来たことあるよ！ | ||||||||
| 全員 | みんなもです！ | ||||||||
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もう少しで、 屋根のあるところに着きますよ。 |
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| ── | そうだ、 ビアガーデンがありましたよね。 高尾山ビアマウント！ おなかがペコペコです！ |
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| 全員 | みんなもです！ | ||||||||
 正直、ビールはもういいです。 あたたかいスープをください。 |
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ねぇ、いま、何時？ | ||||||||
| ── | えーっと、６時半くらいです。 | ||||||||
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何だか、６時半じゃない気がする。 | ||||||||
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はい。ぼくも。 | ||||||||
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９時くらいの気分です。 | ||||||||
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わかります。 | ||||||||
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なんか、 たのしかったよねぇ。 |
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おもしろかったです。 | ||||||||
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神様、いましたかね。 | ||||||||
| ── | いましたけども、 何かもう少し、 さがすべきなのかなぁ？ |
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いまはそうとうずぶ濡れなので、 しゃべるのもしんどいし、 思考が働かないですね。 |
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| 全員 | ワハハハハハハ。 | ||||||||
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今後のことはあとで考えましょうね。 | ||||||||
| ── | これを、鉄砲雨というんですね。 | ||||||||
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ゲリラ豪雨というやつですね。 | ||||||||
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みんなで山を登って、 おまいりして、 いまはただただ、 食べものをめざして歩いています。 |
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それでいいのではないでしょうか。 | ||||||||
| ── | 我々はまだ、 神様を探す旅の途中です。 |
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ああ、ビアマウントが 見えてきたよ。 |
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 遠くの明かりを めざします。  |
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| ── | そうして我々は、 高尾山ビアマウントで おいしい食事にありつきました。 |
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 ビアマウントにて。 特に、オイカワさんの 焼いてくれた特製たこ焼きが、 おいしくておいしくて、 熱くて熱くて。  ひとくちで食べると。  内部が灼熱。 ビュッフェ形式の お料理を取りに行く途中、 豪雨の下を歩かなくてはならないという 屋根が途切れるポイントがあったので。  綿菓子をもらっても、 席に戻ったらこのとおり。  たこ焼きであたたまりつつ、 神様についてのいろんな話を ハタナカリーダーから聞いて。  ビアマウントで雨があがるのを待ちましたが その気配がないので諦めて。  ケーブルカーに飛び乗って 山を降りました。  昼間に集合した、高尾山口駅です。  あの地図の前で、 写真も取りました。  手さげかばんで迷い込んだ トワイライトおじさんのズボンは、 色が変わっていました。  さいごはちょっぴり 雨でタイヘンでしたが、 カメラを向けたら↓  ソブエさんは、このとおり！ ああ、とっても、たのしかったです。 そして、携帯電話で 雨のようすを見てみたら。  みごとなスポット鉄砲雨でした。 青山の「ほぼ日」に電話したら、 「都内は、晴れてるよーっ。 早く帰っておいで」 と言われました。 神様をさがす旅、 次はあるのでしょうか。 最後に、みんなで写真を撮りましょう。 |
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ぼくは、写真にうつるが苦手なので、 ぼくに撮らせてください。 |
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 また会う日まで。 撮影：及川賢治 |
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| それでは、今回の旅は、このへんで。 ご愛読、ありがとうございました！ |
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2010-10-04-MON |
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