第2回 誰も原作を読まないままに。
シェフ
最初に、怪しいやつに
見えるじゃないですか、
瑛太くんが。


山下
かなりね。
こうの
そう。
モギ
こいつに気をつけたほうがいいんじゃないか、
みたいな雰囲気で出てくるじゃない?
山下
それは意図的にあったでしょうね。
シェフ
あった。
でも何を隠してるのか
分かんないんだよね。
「おかしいな、なにかおかしいな」
って感じで進んでいきますよね。
モギ
あの生活感のない部屋。

リンリン
ああ〜! はい、はい。
シェフ
何もないんだよね。
モギ
この男、なんかがあるというのは、
あそこに暗示されるような気がして。
彼はなにを秘密にしているんだろうって、
どこかがウソなんだっていうのの、
そのウソの謎解きなのかなと思いながら、
ずっとその前半を観てるんですよ。
そんな気配だった。
シェフ
あるいは、ほかの誰かが
うそつきなのかって思うよね。


モギ
そう、そう。
シェフ
「麗子に気をつけろ」って言う河崎と、
「河崎に気をつけろ」って言う麗子の、
どっちかが間違ってるか、
どっちも間違ってるのか、
どっちも何か同じことを共有してるのか。

モギ
そう。で、且つ、その隣の隣に住んでる
ブータン人に、「困ったことないですか」と、
この青年が聞いたりとか
してるじゃないですか。
で、その受け答えも、ちょっと謎なんですよ。
そんなふうに一個一個、
腑に落ちない感じがずうっと続くの。
山下
前半、ずっと腑に落ちないですよね。
ベイ
その腑に落ちないのを全部貯めておくと、
後で、はあ〜っ!!! て。

一同
なる!!
シェフ
どっからスイッチ入ったかなあ。
山下
ええと、どこだっけなあ。
こうの
あれじゃないですか? ほら。

あの、ああ、ここは言わないほうが
いいのではないでしょうか。
あの、ヒソヒソヒソ‥‥(耳打ち)。
シェフ
そこかあ!
こうの
で、ヒソヒソヒソ‥‥なところから。
モギ
それ、書けないじゃん。
リンリン
書けませんね。
シェフ
すんません。
で、リンリンはどうでした?
どこでスイッチが?
言える範囲で。
リンリン
私は松田龍平さんが出てからですね。
山下
そうだ! それは言えてる。
シェフ
松田龍平さんというスターは、
前半全く出ないんですよね。
こうの
うん、そう、そう、そう。
シェフ
だからキャストを見てると不思議なんです。
「謎の男」ですよね。
山下
ああ、もう、
もう一回観たくなってくる、これ(笑)。
モギ
回想シーンが重要な役割を
はたしているでしょう、
でもその時間軸が
よく分かんなくなってるんですよね。
山下
分かんない。
モギ
最後に謎解きをされた時は
すごいすっきりしたんだけど、
今、思い返すと分かんなくなってるから、
そういう意味でももう一回見たいです。
シェフ
で、これが、誰も原作を
読まずに観てますよね。
モギ
はい、読まずに観てます。
こうの
あえて我慢してました。
シェフ
これね、映画のノベライズをするってなったら
不可能と思うくらいに
よくできていると思わない?
コウノ
(笑)逆にそう思いますよね。
モギ
あたしゃ断るね。
シェフ
依頼してないよ(笑)。
モギ
断る!
山下
映像でポンと分かるようにしてる部分が
すごく多いですからね。
シェフ
ここまでお読みになってお分かりと
思いますが、
この映画は、いわゆるミステリーです。
山下
ミステリーですね。
シェフ
伊坂幸太郎さんの原作は
『このミステリーがすごい!』の
その年の2位かなんかになってるんですよね。
モギ
なってる。
2003年の作品のようです。
シェフ
原作は確か、
ふたつの物語が交互に
進むんじゃなかったかな。
村上春樹さんの『世界の終わりと
ハードボイルド・ワンダーランド』みたいな?
モギ
ええとね、小説はですね、
ここに文庫版があるんですが、
「現在1」、「2年前1」、
「現在2」、「2年前2」っていうふうに。
シェフ
あざなえる縄のように‥‥
最後に一個になるのかな。
モギ
ていう形を取ってるみたいですね。
とりい
あ、でも、小説は
やりようがあるのかもしれないですね。
どこからでも、人称とかでなければ。
シェフ
そうだよね。
複数の人が語るっていうのもあるしね。
山下
‥‥誰も読んでないんだね(笑)。
シェフ
いや、読みたいと思いつつ!
コウノ
私、『アヒルと鴨』だけ、
読まないでおこうと思って、大事に。
シェフ
本当?
コウノ
今日の日のために(笑)。
山下
へえ〜。
コウノ
あとは結構読んでますよ。
山下
多作ですよ。
シェフ
評価の高い人ですよね。
コウノ
とってもおもしろいですよ。
(つづきます!)
2008-07-07-MON
 
協力 アミューズソフトエンタテインメント株式会社

最新のページ 次へ

今回の感激団メンバー
ベイ リンリン シェフ
こうの とりい モギ
山下    


感激団による
「アヒルと鴨のコインロッカー」DVDのあらすじと人物紹介。
 
くわしくは、こちら

『アヒルと鴨のコインロッカー』の 公式サイト

『メタルマクベス』の 上映劇場と日程
DVDはこちら 原作はこちら