第4回 2回目は泣きっぱなし?
山下
さあ、もうネタバレモードなので、
どんどん言ってください。
とりい
空想シーンが白黒で、
本当のほうは
カラーでしたね。
あっ!
こうの
カラーだった!
とりい
これ、2回目に観たらはっきりすると
思うんですけど、
最初のほうの回想シーンは
事実とはちがうので
白黒なんですね。
ほんとうはこうだったというのが
カラーなんです。
ベイ
白黒は濱田君の空想をあらわしていたんだ。
シェフ
いっとう最初に、
「BOOKS」の看板が出てくる時が、
妙に声が聞こえづらくて、更に色がセピアで。
で、その後すぐに、同じシーンでもって、
主人公の濱田君と、瑛太が
本屋を襲う直前のシーンになるんだけど、
その2つって、違う時間だよね?
ベイ
はい、最初のほうは、
松田龍平くんが出てるんですよ、あれ。
シェフ
あ、出てるの?!
ベイ
出てますよ。
シェフ
はあ〜!!!
ベイ
顔はよく見えないけれど、明らかにもう。
シェフ
その最初の映像が、
ほんとうにきれいな色で、
ムーディーに映ってて、
ちょっとムーディーな映画なのかな、
と思うほどだよね。
でもそこだけなんだよね。
山下
そうなんですよ。そこら辺からして、
変な違和感を持ちながら始まって、
そのまま前半をずっと観てるんですよ。
とりい
台詞も若干違いますよね。
「おまえが」と、
「椎名が」っていうので。
シェフ
あっ!
‥‥よく観てたねえ。
リンリン
ますますもう一度観たくなってきました。
山下
もう一度観なくちゃ。
シェフ
回想と空想と現実と、
さらに妄想も入ってくるでしょう。
瑛太と、本屋の店長がつるんでて、
中で麻薬をやってるんじゃないかって
濱田くんが思うシーンとか。
山下
ああ〜、その軸もありました。
だから、よけい混乱しながら
観ることになるんですね。
ミステリーの謎解きをさせない工夫が
随所にありましたね。
シェフ
それは、だから、色が違うと気付けば、
分かることなんだ。
モギ
瑛太くんが一見滑らかに
日本語をしゃべるでしょう。
あれは、松田龍平くんが遺した
あのテープレコーダーをマネしているから、
ですよね。
こうの
そういうことですよね。
シェフ
あ、棒読みっぽい、何だろう、妙な日本語。
モギ
そう。
シェフ
かっこいい日本語をしゃべるんだよね。
こうの
劇っぽいしゃべり方ですよね。
モギ
そう。で、何かが浮いてる感じがする・・・・、
何かをなぞってる感じがするっていうのは、
あらかじめ出てたような気がするんですよね、
話し方にね。
台詞を練習したから、の雰囲気を
ちゃんと出してるってことだなって思って、
今、あらためてびっくりした。
山下
なるほどね。
ベイ
松田くんがしゃべってる時は、
なんかホッとするんですよ。
山下
うん、なるほどね。
シェフ
そういうことまで、
ぜんぶ演出されていたんだ‥‥!
こうの
観ている時の違和感が
ぜんぶ理由あってのものだったって
あとで気づくと、驚きますよね。
本屋で広辞林を間違ったのも。
山下
本当に間違えたんですね。
こうの
「それは広辞苑じゃない、
 広辞林じゃないか」って突っ込まれてて、
「ハハ」って力なく笑ってるのも、
あとで理由がわかるわけですよね。
モギ
最初はね、ただの間違いだと思って、
わたしも笑っちゃったのよね。
こうの
そう、そう。そうですよね。
山下
ギャグとして消化しちゃうと、
後で痛い目に合う。
モギ
そう、そう!
超痛い目に合いましたよ、私は。
シェフ
あの時、だからね、僕もね、
ゆるい話だなーと思ってたわけです。
(爆笑)
山下
このぐらいの笑いでいいのかと?
シェフ
うん。ゆるくない? と思って。
これがずっと最後まで
続く映画なのかと思ってたんですよ。
モギ
濱田くんが、瑛太に
教科書を確認してくれっていう
電話をかけるじゃないですか。
そこで、ん、もう一回、
んって思うんだけど、
くやしいことに、わからない。
山下
まだミステリーの中にいますよね、
あそこではね。
シェフ
泥棒が入ったんだと思うよね。
モギ
で、後になって、
「そうか!」って辻褄があうの。
シェフ
「カワサキって、どっちの字を書くの?」
っていう時に、困りますよね。
「三本川の川? それとも」
こうの
「河童の河?」。
シェフ
「河童の河」。
こうの
「じゃあ、河童の河だ」っていう。
「じゃあ」が!
シェフ
「じゃあ」がねー。
てきとうな名前を言ってるみたいにも
聞こえるんだよね。
ベイ
そうですね。
シェフ
その、2回目観ると
泣きそうになるっていうのは、
1回目でもう、最後に、
「ディラン?」って声掛ける時の
瑛太が出てくるじゃないですか。
もう一回。
で、最初に掛ける時の印象は、
ニヤ〜とかして感じ悪いやつだったんだけど、
あれは、ニヤニヤしてるんじゃなくて、
本当にうれしくて声掛けてるんだよね。
‥‥てことが分かるじゃないですか。
山下
はあ〜、これは、
2回目のほうがいいんじゃないですか。
シェフ
泣きっぱなしじゃないですか、
これ、もしかして。
ベイ
多分、一人で観てたら、
ぼくも泣きっぱなしだったと思います。
山下
2回目のほうがいいよ、絶対。
ベイ
でも、ドキドキハラハラするのは、
やっぱり一回目なんですよね。
(つづきます!)
2008-07-11-FRI
 
協力 アミューズソフトエンタテインメント株式会社

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