今度、みゆきさんカラオケ行きましょうよ。

あ、行きます、行きます。
こないだ「宙船（そらふね）」をバンブラ
（DSソフト「大合奏！
　バンドブラザーズDX）で
歌ってみたんですけど、
息が続かないんですよ。
どこで息継ぎしていいかわからない。

ぼく、時々、
みゆきさんカラオケやりますよ。

ひとりで？

そのときもモニターと、
一対一で？

いやいや、えーっとね（笑）、
友達に、シャンソン歌手の女の子がいて、
「青い部屋」とかで歌ってる
戸川昌子さんの愛弟子って言われてる人で、
その彼女が中島みゆきのファンなんで、
中島みゆきを歌ってくれるんです、
リクエストすると。

呼んでください。そのとき。

聴きたーい。

広い部屋借りて。

ほんとにかっこいいんです。

それ聴きたいです。

そこでよこさとさんも果敢に歌うの？

はい。
ちょっとずらして
村下孝蔵とか歌うんですけど。

だめじゃないですか（笑）。

気の遣いようが、
まつがってる気がします。

てへへ。音程にあまり上下がないんで。

ああ、そうなんですよ。
音域がやっぱり無理ですよね、
みゆきさんの歌って。

無理なんですよ。

さらに、表現力が要りますよね。

要る。

要る、要る。

魂が要る。

「宙船（そらふね）」はね、
そういう意味でもほんとに難しかった。

そうそうそう。
「その船を漕いで行け」
っていうのだけでも
どこに力を入れて言うかとか、
どこで息継ぎするかとか、
全部表現になってるじゃないですか、

言葉に全部、心がこもってるからねえ。

で、何か物真似になっちゃいけないし。

物真似、できるんだったらいいけど、
できないですね。
清水ミチコさんがやってますね。
あのかたの中島みゆきは、またこれが‥‥

言わない、言わない。

で、よこさとさん、何歌うんですか？

え？

みゆきさん、何を歌うんですか？

この間、何を歌ったかなあ。

ぼく、言っていいですか？

どうぞ。

ぼく、「流星」を歌いますよ。

ちょっと歌ってみてください。

♪香川　新潟　大阪　宮城♪　です。

あれ、何か違う歌になってますよ？

（笑）。

いいんですっ。
♪姫路　山口　袖ケ浦♪　です。

なんだか違うなあ。

今、すごい、ライバル意識が。

バッチバチだ、もう。

すっごい。

で、何、歌うんですか？

ぼくねえ、歌いませんけどね。

嘘。歌うでしょう。

歌いませんけど、挑戦するのは
「二雙の舟」とか？

難しいー！　それは怒られるでしょう、
周りから。怒られないですか？
無謀にも程があると。

優しい人たちと行くんですっ。

ああ、甘ちゃんですね！

（笑）。

いや（笑）、「二雙の舟」って、
ほんとに難しい曲なんですよ。
『夜会』で毎回必ず織り交ぜられる
テーマソングなんです。

すっごいいい曲なんですよ。

歌詞もいいですよね。

これも絶対ね、みなさん、好きですよ。
お前と私は二雙の舟であると。
それぞれ一雙ずつの舟で、
決してひとつになるんじゃなくて、
二雙の舟が波に揺られながら
近づいたり離れたりしながら‥‥、

あー。

だめだ、もう、もうだめだ。

かっこいい。

楽曲的にもドラマチックな展開に
なるんですよね。最初、静かに始まって、
途中からぐわーって来る。
厳しい歌ですよ。

その２雙の舟は、
結果的に寄り添うんですか。

ないです、寄り添う場面、
なかったと思いますね。

風は強いし波は高いし
海は暗いし星も見えないし、
もやいづなは嵐にのまれるし、
互いの姿も見えないんですよ。
もう、たいへんな状況なんだけど、
同じ歌を唄いながら往くんですよ。
で、行く手を照らすのは、
「おまえの悲鳴」なんですよ。

♪おまえの悲鳴が～♪　ですよね。

そう、♪胸に聞こえてくるよ♪　ですね。
♪越えてゆけと叫ぶ♪

♪声がゆくてを照らすよ♪
‥‥難しいわ、確かに。

言ったでしょう、難しいんだって。