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ケビン・山崎って、
どういう男?

誤解をおそれぬ直球トークを聞け!

第2回 この感触13年経験したことなかった

●第1エネルギーについて
糸井 どういうことをするんですか、トレーニングは。
ケビン ぼくがやってるのは第1エネルギーというんです。
ぼくがつけた。第2第3エネルギーもありますけど
アクションが10〜12秒くらいあってフルにやるのが
第1エネルギーです。アクションは11秒以内だから
そう見れば野球もボクサーも同じスポーツですよ。
何ともいやなところで圧力があって
そこから力を出すというものです。
その観点で見ればおんなじプログラムでやれる。
糸井 ふーん、はじめてきいたわ。
マラソンとかは違うの?
ケビン 違いますね。ぼくは第1エネルギーだけなんです。
糸井 じゃあマラソンの仕事やれって言われたらだめ?
ケビン そんなことないですよ、まあマラソンのうちの
最後のダッシュかけるところとかはできます。
糸井 (笑)そうだよね。こないだの
女子マラソンはトラックで抜かれたもんね。
どうしようもないところからの力の出しかたは
確かに格闘技ってそうだなあ。
ケビン そうでしょ?
立っているときに相手への圧力のかけかたとか。
たたかう前に「やばい」とか思うでしょ?
それがどうやって出るのかを考えるのが
ぼく好きなんです。得意なんです。
糸井 素人だからきくんですけど、
そんなことありうるんですか?
ケビン 当然です。生理学でやれることは粗いんです。
たとえば走る姿に迫力を受けるというのは
生理学的に言えば解析学です。
前に走るとすれば、X軸とY軸、前と上に行く
ふたつのモーションの組みあわせなんですよ。
ほかにもうひとつ軸つけると体積になるから
それはややこしいんでなしにします。
そのかけあわせたものをのばすのは簡単なんです。
あとはグッドラックなんです。
糸井 ピッチとストライドがわかればグッドラック。
●表現がうまいひと
ケビン 表現がうまいひと、いますよね。
清原さんはかなり表現がうまい。
糸井 そんなに素質のあるひとがなぜ?
ケビン ライフスタイルです。ラスベガス。
マネー、レディー、セックス、エブリシング。
糸井 だめになる要素ばっかりが。
でも野球やるのもあと何年も何年もじゃないんだし、
もう1回くらい頑張っておわってもいいよね?
ケビン カムバックはユニバースにいるひとなら
誰でも好きですからね。清原さんは最高ですよ。
目的意識は高いし能力もあるし、それで自分でも
感触を得ている、打てるようになってきている。
こないだバッティングセンターにためしに行って
笑って握手を求めてきてくれた。
「これこの13年経験したことなかった」って。
彼の言葉で言うと、ヘッドのまわりがよくて、
球の角度がいい。サウンズグッド。音がいいよ。
糸井 それは期待しますよ。
ケビン 彼はひとつの動きをやりながら
すぐ表現できる。あれはすごい。頭いい。
糸井 「表現がうまい」? むつかしいなあ。
ケビン 清原さんの表現のうまさは親がくれたものです。
俗に言うセンスがいいとかいうものですよ。
伸びた軸を動きに表現する能力の高いひとが
いるんです。それは上に行くひとは持っています。
それプラス、公とのコミュニケーションの
うまいひとがスターになるんですよね。
糸井 清原はパブリックとのコミュニケーションが
ちょっと上手じゃないっていうか(笑)。
ケビン まあ、いろんな意味で言って出てますから。
ホリフィールドよりもマイクタイソンのほうが
スター性あるわけで、それがお金に直結するから。
糸井 マイクタイソンは表現力あります(笑)。
ケビン ぼくらは動かす筋肉にチューブつけるんです。
糸井 そこに負荷を?
ケビン 負荷というより感じさせるんですよね。
それで短い時間に100パーセント動かしてもらう。
今まで行った事の無い世界で
回転数が伸びているので、
全体が速くなるに決まってるんです。
それをやってもらうのですが、
でも、30分たてば忘れますよね。
糸井 それは当然なんですか?
ケビン いい選手は忘れないですよね、あんまり。
あとはプレッシャーあると動きを忘れるとか。
彼の今まで10年間やってこられた動きに
くりかえしをして神経系に足していくわけです。
ひとつの軸がのびたとしても
表現が足りないとできない。
(つづく)

2000-02-25-FRI

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