●基礎代謝量をあげるには? |
ケビン |
迫力ってどういうことかというと、
基礎代謝量をどれだけ外に出せるかですけど。 |
糸井 |
よくファンが「オーラが出てる」と言うのは、
あれは基礎代謝量が溢れてるんだ。 |
ケビン |
基礎代謝量って何かというと、
例えばぼくには8歳の子がいますけど、
公園に遊びに行こうとすると
彼女はぼくが歩いて向こうに行くまでに
4往復くらいしますよね。これが基礎代謝量。
手をひいたりぶらさがったり、
泥がつくようなことをやってみたり、
特定のタイルだけを飛んだり、
あれぼくら今はやらんでしょう?
でも昔はやってたんですね。
あれをやるのは、基礎代謝量が高いんです。
ひとつのアクションの途中に
いろいろなものを酸化できるのが
基礎代謝量の高さなんです。 |
糸井 |
それは頭使う商売でもそうですね。
やっている途中で他のことが気になってみたり。 |
ケビン |
ああ、オーケー。それ基礎代謝量ですよ。
それを上げることはできるんですよね。 |
糸井 |
ケビンさんのしゃべりかたが実はそうですよね。
あっち行ったと思ったら急にこっちに来る。
それはトレーニングしたからじゃないですよね? |
ケビン |
ははは、違いますよ(笑)。 |
糸井 |
今の話はもっと深くききたいけど
どうきけばいいのかわからないなあー。 |
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基礎代謝量ってどう上げればいいんですか? |
糸井 |
「気持ち」でしょう! |
ケビン |
いやそんなことないですよ、そしたら
「初心にかえれ」みたいなことになっちゃうから。
オーケー? |
糸井 |
(笑)そうじゃなくって、
自分でわかるのは、元気なときには、
気持ちが上がってるじゃないですか。
あれは何なのかなあと思って。 |
ケビン |
生理学で話すと縁取りが粗くなるんですよ。
そのおおもとは学問だから、粗いですよね。
粗いことだけ話すと、ある水準までやると
パワーの持続性を得られるんですよね。
パワーはひとつの筋肉を1から100まで使う、
そして次の筋肉を1から100まで使っていく、
そういう動きを次元にわけるんですけどね。
そうすると「走る」のは4次元なんです。
「かかとで踏む」「押し出して」
「前に行く」「状態をホールドする」
その4つを100パーセント順々にできると
4次元のパワーができるわけです。
普通にあげるだけのリフティングは1次元で、
それじゃあ心配なの。次元が4つなら、
次元の多いなかでひとつひとつにストレングスと
神経系のスピードをかけたものがパワーですよ。 |
糸井 |
きいてるとああって思うけど、むつかしい。 |
ケビン |
リフティングをやろうとすると
ここに重りをおいて・・・。
(高阪さんのほうをむいて実演がはじまる) |
高阪 |
で、こうやって、こうやって・・・。 |
ケビン |
いや、だからこれを・・・(不満そう)。 |
糸井 |
(笑)違うんだ? |
ケビン |
いや、違いませんよ(笑)。
このひとに必要なのはキックとパンチですから。
それをするためにどうするかというと、
ウエイトを持ちますよね、取ります、
立つでしょ?そしたら軸を移動させる。
この筋肉もつかってもらって・・・。
(とにかく複雑な動き。かかとが浮いたり) |
糸井 |
おんなじことのくりかえしじゃだめなんだ。 |
●そこまでなら本気で食いたい |
ケビン |
こういうものはね、あの結局、
信じるものは救われるというか。 |
糸井 |
すごい科学的なところからいきなり(笑)。 |
ケビン |
あるひとを信じてやれば、なんです。 |
糸井 |
わかります。迷いがあったらできないですもん。 |
ケビン |
やってるとそうなりますからね。
何かやりますから。
うまくいく理由は、何かやってるからで。
それこっちのほうがパワーないとできない。
俺の話きいて「大丈夫だ」っていう感覚を
あたえないといけない。 |
糸井 |
脳の一部をケビンさんに
あずけるくらいじゃなきゃだめですよね。 |
ケビン |
そうなるといいですよね。信頼関係だから。 |
糸井 |
きいてるとそういう気持ちになってくる。
わかんないんだけど、どっかでね。 |
ケビン |
何となく楽しくなきゃいけないとか。
パーソナルトレーナーの仕事っていうのは
インストラクター的にはできないですよ。 |
糸井 |
パーソナルトレーナーは一心同体? |
ケビン |
一緒にいて体脂肪を落としたりするわけです。
そのひとが「ぼくは食べません」といいながら
裏で食べてたりして結果が出なかったら、
ぼくの責任でしょ? |
糸井 |
ついていくの? |
ケビン |
ぼくはついていかないです。
ぼくの助手がついていく。 |
糸井 |
じゃあ清原選手が鳥食ってるかどうか
わかってるんだ。助手がケビンさんに
「隠れて変なもの食ってましたよお?」
とか伝えて(笑)。 |
ケビン |
いや、そこで食わせちゃだめですよ。 |
糸井 |
あ、そっか。 |
ケビン |
ホテルに帰ってからは知りませんよ。 |
糸井 |
まあ、そこまでして何か食いたかったら
そいつは本気で食いたいんですよ。 |
ケビン |
体脂肪の数値は血も涙もないですから。
ピーって出てくるだけで、
3週間しかないわけですから。 |
糸井 |
清原さんはそれ守って達したんですか? |
ケビン |
達しました。唯一うまいこといかなかったのは
限界です。あれ以上やってたらたぶん、
清原さん日本に帰ってたでしょうね。
今シーズンはオープン戦で何かやらないと
いけないのは、彼もわかってますから。 |
(つづく) |