はい、またまた、
もどきさんのご紹介でございます。
しかも、今回は、大物(笑)。
もどき、と称するのは、人間社会的には、
本家本元が存在しているうえでの、
偽物、あるいは、類似品、ということですよね。
ところが、自然の産物であるところの、
「もどき」きのこは偽物でもなければ類似品でもなく、
本物中の本物、唯一無二のきのこです。
もどき、という名前を付けるのはきのこに失礼かと。
他のもどきも同じ事情だと思いますが、
きっとマツタケが最初に見つかっていて、
そのあとに見つかったマツタケ似のきのこということで、
マツタケモドキとされてしまったわけでしょう。
ちょっとだけ同情を禁じ得ません……。
しか〜し。
マツタケ採りに出かけて、
マツタケではなくマツタケモドキを見つけたときの、
なかなか言葉にはしづらい感情たるや、もう……。
最も近い言葉で代用するならば、
悔しさ?憎しみ?
ははは、前と言っていることが逆だ。
だって、けっこう苦労して、
いわゆるマツタケ山へ行くわけですよ。
ぼくはそれほど食べたいわけではなく、
今年もマツタケを待っているであろう人のために……。
(日頃の不義理、すみません!)
ああ、今年も、あの人の喜ぶ顔が見たいなあ、
と、思いつつ、多少、欲の皮を突っ張らせて、
道なき道を、あちらへ、こちらへ。
そして、マツタケ発見!
やったぜ!!
ところが。
近づいて見ると、これが、あなた、
マツタケじゃなく、マツタケモドキ!
その落胆たるや……。
図鑑には食べられるとか書いてありますが、
マツタケの味や香りとは、もう、
月とスッポン、大人と子供、鯨と鰯、雲泥万里、
単に外見が少しだけマツタケに似ているだけの、
マツタケの名を語るのがおこがましいきのこですよ、
マツタケモドキって奴は……。
まあ、基本的に、ぼくは、
食べるためのきのこ狩りにはほとんど行かないので、
マツタケ採りは例外中の例外なんです。
ですから、マツタケ採り以外の目的で森へ行き、
マツタケモドキを見つけたとしたら、
普通に、素敵なモデルさんとして、
パシャパシャ写真を撮影します、はい。
マツタケ採りのときとは別人格です(笑)。
ちなみに。
マツタケは幼菌時球形ですが、
マツタケモドキは半球形。
マツタケは傘の直径が8〜30cmくらいですが、
マツタケモドキは5〜10cmくらい。
マツタケは傘全体が褐色繊維状ですが、
マツタケモドキの多くは傘の縁の地が露出。
マツタケの柄は最後まで太く立派ですが、
マツタケモドキの柄は先細り。
慣れてくると、ぱっと見ただけで、
両者を区別できるようになりますが、
けっこう外観は似ていると思います。
マツタケとマツタケモドキは、
同じような場所で同じような時期に発生しますが、
マツタケモドキの方がやや遅い発生かなあ。
マツタケモドキへの、
八つ当たり的な難癖付けは、
やめよう、やめようと思っているのですが、
いざ、マツタケ採りへ出かけると、もう……(笑)。
まだまだ修行が足りません。