何を隠そう、あのムーミンに登場する、
「ニョロニョロ」のモデルになったのは、
このムラサキナギナタタケなんです!
うそです……。
すみません。
でも「さもあらん!」と思ったでしょ。
色はあんまり白くありませんが、
小さくて、細くて、群れているところなんか、
ほんと、ニョロニョロを彷彿させますよねえ。
大きいもので長さは10cm前後ですが、
これだけの範囲にわたって群生していると、
なんか、すごく存在感がありますな。
え?
気持ち悪いって?
まあ、その、ええと……(笑)。
少なくても、きのこファンなら、
きっと、絶句するほど感動するはずです、はい。
ムラサキナギナタタケは、
夏から秋のはじめくらいにかけて、
トドマツやアカエゾマツなど針葉樹の林地に、
多くの場合は、群れて発生します。
高さは、だいたい、3〜12cmくらい。
太さは、直径1cmには届かず0.5cm前後。
色は薄紫色〜灰紫色で、下部はやや白く、
成熟するにしたがって茶色味を増していきます。
中空で肉は白っぽく、
ちょっと触るだけでもぽろぽろ折れてしまいます。
各種図鑑には、食べられる、
表記されているきのこですが、
味も香りもほとんどしないようです。
さらに、このもろさゆえに、持ち帰るのも大変。
と、いうことで、
ぼくは食べたことがありません。
この写真をご覧いただくと、
ところどころできのこが倒れていますが、
これは、おそらく、シマリスくんが、
走り回った跡ではないかと推測します。
撮影したのは9月上旬なのですが、
そろそろハイマツの実が熟してくる頃。
シマリスくんたちの大好物なのです。
登山道に落ちている松ぼっくりは、
そりゃあ見事なくらい完璧に、
中の実が食べられているものばかりなのですが、
中には、落ちたばかりなのか、
びっしりと実が詰まったものも。
ラッキー(笑)!
米粒くらいの実を取り出して殻を割って食べると、
これが香ばしくてすごくおいしいんです!
(お酒のつまみにもきっとぴったり!)
もしかしたら、シマリスくんたちは、
ムラサキナギナタタケを踏んだりすることで、
胞子散布に一役買っているのかもしれません。