きのこの色は、花と同じく、多種多様です。
虹の七色、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、はもちろん、
白や、黒や、灰色などなど、
きのこに無い色を探すのが難しいほど。
花にいろいろな色があるのは、
その色に反応してやってきた虫や鳥や獣などに、
花粉を運んでもらって受粉に結びつけるため。
未来に子孫を残すための重要な役割を担っています。
一方、きのこの色には、どんな意味があるのかというと、
これが、ほとんど解明されてないようです、はい。
花と同様の役割があるのかもしれませんが、
詳しくは、今後の研究結果を待ちたいと思います。
人間も、森で見つけたきのこの色に、
けっこう敏感に反応しますよね(笑)。
赤いきのこを見つけたら、毒きのこだと疑い、
地味な感じの茶色や黒っぽい色のきのこは、
食べることができるかもしれないと小躍りしたり……。
もし、知らないきのこを見つけた場合は、
自分では絶対に食毒の判断をしないようにしてください。
さらにやっかいなのは、
今回ご紹介する、このスギヒラタケのように、
どんな図鑑でも食用とされていたきのこが、
突然毒きのこ扱いされることもあるということ。
もし、スギヒラタケを、
食用きのことして認識している方がいれば、
即刻、訂正してくださいね。
スギヒラタケは毒きのこです!
誤食すると死に至ることもあります。
詳しくはこちらをご覧あれ。
でも、まあ、
食べる食べない関係なしに、
純粋にきのこを鑑賞するのであれば、
スギヒラタケの美しさは特筆ものです。
枯木に花を咲かせたかのような群落。
汚れを知らぬがごとくの純白。
間隔が狭く時に分岐する精緻なヒダ。
ぼ〜っと見つめていると、
ついつい時間を忘れてしまいます。
スギヒラタケは、夏から秋にかけて、
スギなど針葉樹の枯木や倒木から多数発生。
傘は白く、扇形〜半円形で、縁が内側に巻き、
柄はほとんどなく、直径3〜8cmくらいです。
見つけやすい、間違いにくい、たくさん採れる、
そしてそして、おいしい! と、
食用きのこの鏡のような存在だっただけに、
スギヒラタケが食べられなくて残念だと思う人は、
決して少なくないかもしれませんねえ……。
我慢、我慢、です。
ちなみに……。
・派手な色のきのこは毒
・縦に割けるきのこは食べられる
・ナメクジや虫が食べているきのこは食べられる
・茄子と一緒に煮れば無毒化できる
などなど、
昔からまことしやかに語られている、
民間伝承的きのこ食毒判断はすべて間違いです。
信じないようにしてください。
すべての毒きのこに共通する特徴なども存在しないので、
食毒判断、同定、分類をする場合には、
きのこをひとつひとつ覚えていくしかありません。
きのこ道に王道なし!
です。