正解、食べられます!
ホコリタケ(キツネノチャブクロ)食

きのこに限らず、生物の分類は、
ずっと昔から、つい最近まで、長きにわたって、
形態的な特徴を第一として整理蓄積されてきました。

それも、過去のもの。
見た目だけで分類されていた時代から、
科学の進歩とともに、
虫めがねを使い出し、顕微鏡を使い出し、
そして、ついには、文明の利器を駆使して、
DNAの塩基配列とか何とか、
遺伝情報を扱うってんですから、もう。

きっぱりと断言しますが、
ワタクシのような素人の手には負えません……。

きのこ界にも、1990年代後半くらいには、
このDNAを使った分類が菌糸を伸ばし始め、
今や、きのこ界全体をすっぽり包んでしまいました。

今までのきのこの分類は、まず、見た目で、
ハラタケ類、ヒダナシタケ類、腹菌類、キクラゲ類、
(以上、担子菌類)
そして、子嚢(しのう)菌類の5グループに分け、
それぞれの類の中で細分化してきたわけですが、
この、DNAを使う分類の台頭によって、
分類体系そのものがひっくり返されちゃったわけです。

そして、今回ご紹介する、まんまるきのこ、
ホコリタケ(キツネノチャブクロ)は、
旧分類で言うなら腹菌類だったわけですが、
新分類では腹菌類というグループそのものが、
解体されて無くなっちゃったんです!

腹菌類の特徴は、
胞子をつくる子実層が成熟するまで露出しない、
つまり、傘の裏側とか露出している部分ではなく、
子実体の内側で胞子をつくっているということ。

見た目だけで分類しようと思ったら、
腹菌類はそういう特徴を持った一群に見えますが、
いくつかのグループと近縁のものが混在している、
と考えられることから、解体に至ったようです。

さて。
まあ、小難しい話は置いておいて(笑)。

ホコリタケは、夏から秋にかけて、
林地や草地や路傍などの地面から発生。
よく見るとコマのような形をしていて
上部には長短のトゲやイボ、
(成長とともにトゲやイボは剥落します)
下面にはヒダやくぼみなどが見られます。

表面は、最初白く、黄色を経て褐色に。
成熟すると頭頂部に穴が空いて、
雨や小動物に踏まれるなどの刺激で、
淡緑灰色の胞子を吹き出します。

触ったときぷにゅぷにゅと弾力がある幼菌時、
つまり、割ってみたとき中身が真っ白な場合は、
食べることができます。
お味については、こちらをご覧あれ。

それにしても、科学技術が進むにつれ、
世の中はすごいスピードで変わっていきますな。
さて、きのこ界の未来はいかに……。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。