基本的な認識として、冬は、一応、
12月から2月までとされています。
しかしながら、阿寒湖周辺では、
10月ともなれば最低気温がマイナスになり、
平地でも雪が降ったりします。
また、5月であっても、
気温が氷点下になることも、雪が降ることも、
これまた特に珍しいことではありません。
阿寒地方では、10月から5月くらいまで冬である、
と言っても過言ではありません。
じりじりとしばれるような寒さに耐えていると、
突然、爆発的に、春が訪れます。
一気に気温が上がって、雪や氷が解けはじめ、
大地では可憐な草花が一気に咲き誇ります。
この、春を迎える、感動にも似た快感は、
北国に住んでないと実感できないかもしれません。
大地に春を告げる草花の中で、
最初に花を咲かせるのはカタクリです。
(サクラもほぼ同じ時期に咲きます)
姿を現してからひと月ちょいで、
地上での活動のすべてを終えて、
再び地下での休眠?状態にもどってしまいます。
そんな儚さもあいまってか、
カタクリが咲くと、ああ春が来たなあ、
と実感できるんですよね。
ところが(笑)。
そこは、きのこファン。
例え美しく可憐なカタクリの花が咲いていようが、
目は別のものを探しています。
ふふふ。
ほら、雪が溶けて露出した、
落ち葉が敷き詰められた地面から、
黒いきのこがにょきにょき!
エツキクロコップタケです。
きのこファンが待ちわびた、春のきのこ、
エツキクロコップタケは、4月から5月くらいの間、
広葉樹の地面から発生します。
ただし、地面と言っても、実は、
土中に埋もれた広葉樹の落枝から発生しているとか。
きのこは真っ黒でお椀型。
外側はたくさんの鱗片で覆われていて、
内側は茶褐色で平滑です。
お椀の直径は1〜4cm、深さは1〜2cmくらい、
お椀に下には、長さ2〜6cmくらいの柄があります。
食不適。
まあ、カタクリの花を愛でるように、
きのこも愛でようではありませんか。
ちなみに、
草花ファンには怒られちゃうかもしれませんが、
カタクリの花は、天ぷらにして食べると、
もう、おいしいの、なんの……。
ほんのり甘く、ほんのり苦く、
爽やかな香りが口中に広がるんです。
とはいえ、くれぐれも、盗掘などなさいませんように。
この写真は岩手県で撮影しました。