ウラベニガサという名前は、
もう、そのまま、裏側が紅色の傘、
という意味です。
とはいえ、開いたばかりの傘裏は白で、
時間とともに徐々に紅色(肉色)に変化していきます。
なぜ傘の裏側にあるヒダの色が変化するかというと、
胞子の色が変わるから。
胞子が成熟するにつれて、
色が白から紅へと変化していくんです。
きのこのヒダは、
きのこの次世代を担う子孫の卵・胞子をつくり、
かつ、放出する、きのこの最重要パーツ!
と言っても過言ではありません。
唐突ですが、皆さんは、
飛行機がなぜ飛べるのか、
説明できるでしょうか?
ごく簡単に答えを言うと、
ひとつは強力なジェットエンジンによる推進力。
そして、もうひとつは、
速い空気の流れが翼に当たったとき、
翼の上下の形状の違い(上が丸く下が平ら)によって、
下側から翼を持ち上げようと発生する力・揚力です。
(詳しくはおググりあそばせ)
きのこの傘の形を思い出してください。
上が丸くて、下が平らですよね。
まるで、飛行機の翼の断面図のよう。
ピン、ときましたか?
そう、きのこの傘は、飛行機の翼と同じく、
つまり、空気の流れが下から上へ上昇する形状!
結果、胞子を遠くへ飛ばせる、と……。
そんな説があったりもします(笑)。
さて。
ウラベニガサは、春から秋にかけて、
広葉樹の枯木や切り株、倒木から発生します。
傘の表面は灰褐色で、放射状の繊維紋、
あるいは、少鱗片に覆われています。
直径は5~10cmほど。
最初はやや鐘形で、やがて中高の平らに開きます。
柄は高さ6~12cmくらい。
表面は、白の地に傘と同色の繊維紋があります。
内部は空洞ではなく、中実です。
味に癖はないものの、水っぽいし、土臭いとか。
食べられることは食べられますが、
それほどお味がいいわけではないようです。
ちなみに、胞子散布と言えば、
シイタケやヒラタケなどは、
自ら空気中に水分を放出することで気圧差を生み出し、
風が吹いてなくても胞子を散逸させることができる、
という説もあるようです。
面白いなあ、きのこ。