正解、食べられません!
イボテングタケ毒

以下に掲げるきのこの食毒判断方法で、
正しいものはどれでしょう?

1 地味な色のきのこは可食、派手なきのこは毒。

2 虫やナメクジが食べているきのこは無毒。

3 縦に裂けるきのこは食べられる。

4 ナスと一緒に煮ると毒が消える。

5 いい香りがするきのこは食べられる。

6 塩漬けにすればどんなきのこでも食べられる。

7 きのこを煮た汁で銀のさじが黒くなれば毒。

正解は……。
上記の例で、正しいものは、ひとつもなし!

そう、これら、昔からまことしやかに言われている、
上記のきのこ食毒判断方法は、すべて間違いです。

では、食べられるきのこか、毒きのこか、
一体どうやって見分ければいいの……?

このきのこは毒きのこ、こっちは食べられる、
という感じで、1本1本覚えるしかないんです。

とはいえ、
きのこは個体差や地域差が大きいこともあって、
初心者がインターネットや図鑑で調べて、
種を同定するのは、すごく大変なんです。
いちばん手っ取り早いのは、
各地で行われているきのこ観察会などに参加すること。
きっと、ベテランの方々が丁寧に教えてくれるはずです。

この「きのこの話」でも、
繰り返し繰り返し、何回も言っておりますが、
とにかく、知らないきのこは絶対に食べない!
鉄則です。
もし、野外で採取したきのこを食べる場合には、
必ず専門家の判断を仰いでください。

野生のきのこを食べたあと、
中毒症状が出てしまった場合には、
水をたっぷり飲んで食べたものを吐き出すなどして、
とにかく、急いで、病院へ行きましょう。
その際には、必ず食べた実物を持参してください。
(使い残しが無ければ調理後のきのこでもOK)

さてさて。 前置きが長くなって、
前置きではなくなってしまいましたが(笑)、
本題に移りましょうか。

イボテングタケは、夏から秋にかけて、
各種林地の地上から発生する、やや大型のきのこ。
傘は灰褐色〜オリーブ褐色で、
表面にはやや褐色系がかったイボが多数付着しています。
傘裏のヒダは真っ白です。

柄は白〜淡黄色で、ささくれたような模様があり、
真ん中あたりにひらひらとしたツバが付着。
また、基部には球根のようなツボがあります。

同じく毒きのこのテングタケによく似ていますが、
イボが褐色でややとんがっている、
(テングタケは白くて平ら)
ツバが柄の真ん中あたりについていて、
その周りが褐色に彩られている、
(テングタケのツバは上つきで白色)
根本のツボが幾重かの環紋状になっている、
(テングタケはほぼ一重)
といういくつかの同定ポイントがあります。
(正確な同定には顕微鏡が必要!)

誤食すると食後30分ほどで、
腹痛、嘔吐、下痢、流延、発汗、縮瞳、頻脈、
心拍数増加、錯乱、興奮、痙攣、昏睡、呼吸困難など、
胃腸系、副交感神経系、中枢神経系など、
多様な症状がみられるようです……。

しかし、死ぬようなことはなく、
多くの場合、1日ほどで回復するとか。

イボテングタケについては、こちらもご覧あれ。

ちなみに、
シイタケや、マイタケや、マツタケなどなど、
食用とされているきのこでも、
生で食べると中毒症状が出る場合があります。
食用きのこも、必ず十分に加熱して食べましょう!

皆さまにおかれましては、
見つけたきのこが毒だからといって、
無闇矢鱈に蹴飛ばさないようお願いします。
わたしたち人間も、きのこも、
同じ時代に同じ地球で生きている同胞ですから。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。