この写真には4本しか写っていませんが、
センボンイチメガサは、通常、
何十本もまとまって生えることが多いきのこです。
日本語で「千本〜」と言う場合、
数がきっちり1000本ある、というより、
すごくたくさんあることを意味します。
センボンイチメガサのほかにも、
センボンアシナガタケ、センボンキツネノサカズキ、
センボンクズタケ、センボンクヌギタケ、
センボンシメジ(シャカシメジ)、
また、イヌセンボンタケなどなど、
「千本」と名付けられたきのこはけっこうありますが、
みんな、群生するタイプのきのこです。
このように、群生して地上に現れたきのこ、
つまり、きのこの生殖器官である子実体は、
同じ遺伝情報を持つクローンだと言えます。
例えば、2本生えているきのこを見つけて、
友だち同士とか恋人同士に見立てて、
いろいろな物語を仕立てるのは人間の勝手ですが、
(ぼくはよくやってます!)
実際のところは、まったく同一「人物」。
なんだかなあ……(笑)。
さて。
センボンイチメガサは、夏から秋にかけて、
針葉樹、広葉樹を問わず、枯木や切株から発生します。
傘は黄褐色〜茶褐色で、直径3〜6cmくらい。
無毛、平滑で、吸水性があり、湿時には粘性があります。
ヒダは密で幅広、白〜汚褐色。
柄は、高さ4〜7cm。
上部に硬質のツバを持ち、
ツバの上は黄褐色で粉状になっていて、
ツバの下は黒褐色でササクレ状の鱗片があります。
一応、食べられるきのこなのですが、
猛毒のコレラタケにとてもよく似ているので、
(我が北海道ではコレラタケは発生しないようです)
同定に絶対の自信がある人以外、オススメしません。
もし食べる場合には、どうぞ、細心の注意を。
そうそう、群生するきのこ(子実体)たちが、
同じ遺伝情報を持つクローンだという話で思い出すのは、
世界最大の生物はきのこである、という説。
詳しく知りたい方は、こちらをご覧あれ。