なんともステキな緑色のきのこでしょ。
緑色とか青色のきのこはそれほど多くはないので、
森で見つけると、ちょっぴり得した気分になれます。
このきのこの名前は、アイタケ。
藍色の「藍」を意味する、藍茸なんです。
考えてみれば、日本語で「青」と言うとき、
青りんご、青信号、青のり、などなど、
実際は緑色であるものがけっこうありますよね。
何でも、その昔、奈良時代や平安時代の頃は、
色を示す言葉が、白、赤、青、黒しかなかったとか。
そう、すべての色を、この4つの言葉で表したんです。
だから、表現する色の範囲がめっちゃ広くて、
当時の青には、緑色〜紫色〜灰色が含まれてました。
また、日本の伝統色である藍色は、
ジーンズなどでおなじみのインディゴというよりは、
藍色にちょっぴり黄色を加えて、
やや緑がからせたものなんだそうです。
そういうことを考え合わせるならば、
緑色なのになんで藍茸なの?
などと、目くじらを立てることなく、
アイタケという名前を、
素直に受け入れてもいいのではないか、
と愚考するわけです、はい。
さて、アイタケの色問題が解決したところで、
本題に入りましょうか。
アイタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹の下の地面から発生します。
傘は、直径6〜10cmほど。
まんじゅう形から平らに、そして、
やや中央がくぼんだ漏斗形に開きます。
表面は乾いていて、緑色〜灰色で、
不規則にひび割れているのが大きな特徴。
肉は白くて、とてももろいです。
ヒダは白く、密〜やや疏。
柄は白く、高さ4〜8cmほどで、同幅。
中身びっしりの中実です。
あまり食欲を誘う色ではありませんが、
食べられるんです。
ぼそぼそとしていて、
食感こそあまりよくないようですが、
なかなか上品なお味がするそうです……。
(おいしくない、という感想も、ちらほら)
ちなみに、
本当に様々な色のきのこがありますが、
その色にどんな意味があるのかは、
現在では、まだわかってないそうです。
花の色には、特定の昆虫を引き寄せて、
受粉を手伝ってもらうためとか、
色の違う理由が解明されていますが、
はたして、きのこは、なぜ、
いろいろな色を持つに至ったのでしょうか?
どなたか、ぜひ、解明してください。