「森」あるいは「自然」というと、
なんか、いいイメージがありますよね。
木々が生い茂り、きれいな水と空気があり、
訪れた人は心も体もリフレッシュできる、
みたいな。
実際は、想像以上に大変なのよ(笑)。
阿寒湖周辺に広がる原生林の話をすると、
まず、圧倒されるのは、虫の多さ。
虫が嫌い、あるいは、苦手な人にとっては、
地獄以外の何ものでもありません。
さらには、ヒグマや、スズメバチなど、
遭遇したら命に関わる生物も生息!
実は、不快で、危険な、森……。
でも。
しかし。
そんな「デメリット」は、
対策と考え方次第で、どうにかなるものです。
ちなみに、ぼくは、森へ入るとき、
真夏であっても(内地に比べたら涼しいですが)、
上下レインウエア、長靴、防虫ネットと、
できる限りの「完全武装」で臨みます。
(防虫スプレーなどはほぼ無力です……)
くまさん対策には、とりあえず、
鈴と、撃退スプレーを持参し、
こちらの居場所を示すべく定期的に大声で叫ぶ。
スズメバチ対策は、
先の防虫対策と同様に肌を露出しないことと、
黒いものを身に着けないこと。
などなど……。
何より、阿寒の森は、
それほど多くの虫はもちろん、
あんなに大きなくまさんが、何匹も、
普通に生きていけるほど、
豊かな自然があるってことを、
肌で感じることができるんです。
もちろん、きのこも、にょきにょき。
感動せずにはいられません!
と、そんなことをつらつら考えながら、
雌阿寒岳山麓に広がる森を歩いていたら、
しっかりした傘を持つきのこを発見。
あの、柄の、絶妙な曲がり具合!
ツルタケです。
ツルタケは、夏から秋にかけて、
各種林地の地面から発生します。
灰色〜灰褐色の傘は、直径5〜8cmくらい。
中央部はやや色濃く、ぽつんと突起し、
周縁部には放射状の条線があります。
たまご形からまんじゅう形を経て平らに開きます。
ヒダは白く、やや密。
柄は白〜淡灰色で、高さ15cmほど。
上方がやや細く、根本には白いツボがあります。
鶴茸、の名のとおり、まさにツルの首のような、
絶妙なラインがたまりません。
有毒。
誤食すると、数十分〜24時間くらいの間に、
膨満感、腹痛、吐き気、下痢、頻脈、不安感など、
胃腸系、そして、神経系の中毒症状が出るとか。
テングタケの仲間には毒きのこが多いので、
とにかく、少しでも同定に不安があったら、
絶対に食べないようにしましょうね。
それにしても、森へ行くと、
五感が敏感になるし、それにつられてか、
脳みそもなんか活発化するような気がするし、
やっぱり、行かないよりは行ったほうが、
人生が少しだけ豊かになるような気がします、はい。