きのこの人気が徐々に上昇しているなあ、と、
このところ、けっこう感じることがあります。
そう、食べ物としておいしい!というだけじゃなく、
ひとつの生物として、きのこはとても魅力的です。
雑誌やテレビなどで、食べる以外の話題で、
きのこが取り上げられることが少なくありませんし、
きのこをモチーフにしたイベントや展示会が、
日本各地、あちこちで開催されていますよね。
きのこは、可愛いだけじゃなく、何というか、
胡散臭さとか、いかがわしさとか(笑)、
もちろん、毒々しさも感じさせるので、
そんなところに目をつけた各種アーチストが、
いろいろな作品を発表したりもしています。
しかし、個人的な感覚ですが、
きのこファンよりコケファンの方がずっと多い!
そう考えると、今回ご紹介した写真も、
コケを主にしてご覧になる人が多いかも(笑)。
写真に写っている立派なコケは、ダチョウゴケです。
亜高山帯〜高山帯に生えているので、コケファンでも、
実物を見る機会は少ないかもしれませんね。
ダチョウ、の名のとおり、大型のコケです。
阿寒湖周辺は緯度が高いので(北緯43度)、
高い山に登らずとも、そこいらで、普通に、
ダチョウゴケが生えてます。
コケファンの方も、ぜひ、阿寒へお出でください!
さてさて。
我が主役の説明もきっちりしておきましょう。
シモフリヌメリガサは、秋の終わり頃、
トドマツなど針葉樹の森の地面から発生します。
傘の直径は2〜5cmくらい。
表面は粘液に覆われていてオリーブ色〜オリーブ褐色。
中心部は色が濃く、周縁部は逆に色が淡くなっており、
まんじゅう形からやがて平らに開きます。
ヒダは疏で、淡い黄色。
柄は、上部にあるツバの名残りから下がささくれだち、
下方に向かってやや細まっています。
食。
サイズはちょっと小さいですが、
群生することが多いのである程度の数を確保できます。
味、食感ともによく、優れた食菌です。
それにしても、
食べられる、食べられない、関係なしに、
一人でも多くの人たちに、
生物としてのきのこの面白さが伝わればいいなあ、と、
ぼくも、微力ながら、いろいろ活動しているわけです。
ちなみに、こういう、きのこ啓蒙活動のようなことを、
きのこファンは「胞子活動」と呼んでいます(笑)。
皆さま、今後とも、そうぞよろしくお願いします。