他の地域のことはよくわかりませんが、
阿寒川上流部で発生するハリガネオチバタケは、
大発生する年と、ほとんど見られない年と、
すごく極端なんですよね。
「オチバタケ」の名のとおり、落葉が大好物。
主に葉っぱを分解するきのこです。
傘の直径は1〜3cmほど、高さは4〜10cmほど。
小さくて華奢ですが、抜群の存在感を誇ります。
最近愛用しているカメラは、
裏側にある液晶部分が可動式なので、
腹ばいにならずともこんなアングルを撮影可能ですが、
数年前まで使っていたカメラは、
ファインダーをのぞかないと被写体が確認できないので、
小さなものを、縦位置で、地面から見上げて撮る場合は、
腹ばいになって、地面に頬をこすりつけるようにして、
シャッターを切っていました。
きのこの大きさになった気持ちで、
きのこの世界に入り込み、きのこ目線で森を眺めつつ、
森ときのこの両方を撮影(観察)する面白さ!
そんな魅力をぼくに教えてくれたのが、
ハリガネオチバタケでした……。
ハリガネオチバタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹、針葉樹、関係なしに、落葉から発生します。
傘は茶褐色で、放射状の溝線があり、
まんじゅう形から平らに開きます。
よく似たきのこに、ハナオチバタケがあるのですが、
実は、顕微鏡を使わないとはっきりと区別できません。
チマタでよく言われている見分け方は、
ハナオチバタケは、傘の直径が0.5〜1.5cmほどで、
ヒダの数が16〜19本くらい。
ハリガネオチバタケは、傘の直径が1〜3cmほどで、
ヒダの数が13〜15本くらい。
ぼくは、顕微鏡を持ってないので、この方法で、
ハリガネオチバタケとハナオチバタケを区別しています。
ですから正確さには、あまり自信がありません(笑)!
小さいし、傘も柄も硬いし、
食べるにはまったく値しません、はい。
まるでランプシェードを思わせる、
形が整った美しいきのこなので、
見つけたら、ぜひ、ゆっくりと鑑賞しましょう。
できれば、腹ばいになって、きのこ目線で。
ちなみに、以前、
写真家の伊沢正名さんにお目にかかったとき、
「同じ目線で撮影しなければきのこに失礼だ」
という話で盛り上がり、
尊敬する大先輩と同じことを考えていたと、
すごく嬉しかったことを覚えています。