タモギタケ、カベンタケモドキなど、
鮮やかな黄色のきのこはいくつかありますが、
その中でも、モエギビョウタケの色は、別格。
美しい、としか言いようがありません。
モエギビョウタケと同じ仲間にビョウタケがあり、
実は、形も、色も、大きさも、ほとんど一緒で、
正確に種を同定するには顕微鏡が必要なのですが、
ビョウタケの色はやや橙色が混じった感じ、
モエギビョウタケは黄色味が強い傾向にある、
と、なんとなく、区別できるんです。
それにしても、どうです、この色。
この写真に写っているのは、まだ若い個体なので、
何というか、透明感すらありますよね。
レモン色だと表現するのが、
いちばん相応しいかもしれません。
眼福、眼福。
モエギビョウタケは、夏から秋にかけて、
トドマツなどの枯枝や倒木から発生します。
本州であれば冬でも見ることができると思います。
発生したばかりのときは、
縮こまったつぼのような形をしていますが、
だんだん開いて平らの円盤形になります。
中央部が凹んでいることが多いようです。
直径は、1〜2mmくらいと、極小ですが、
たくさん発生することが多いので、
枯枝や倒木が黄色く染まっているように見えることも、
しばしばあります。
触ってみると、肉はやわらかく、
裏側には、ビョウタケの名のごとく、
細く短い柄があります。
食不適。
味も、香りもしない、とのことですが、
あまりに小さくて、食べるのは大変ですよね。
これだけ美しい色のきのこです。
見て楽しみましょう!
ところで、モエギビョウタケの「モエギ」は、
もちろん「萌黄」という意味なのですが、
萌黄色と言えば、黄緑色のことですよね。
春先に萌え出る草の葉や木々の若葉のような色です。
しかし、モエギビョウタケは、
レモン色、あるいは、真っ黄色。
もしかしたら、命名された方が、
萌黄色を黄色系だと勘違いしていたとか?
ちょっと、謎です。