「一期一会」という言葉は、
茶会に臨む際、その機会は一生に一度のものと心得て、
主客ともに、互いに誠意を尽くせ(「大辞林」より)、
という、茶会の心得からやや一般化して、現在では、
一生に一度だけの機会、という意味でも用いられます。
森は、それそこ、一瞬たりとも同じ状態がないので、
森へ行く度に「一期一会」という言葉を実感します。
その場所へ、毎日行っても、1時間毎に行っても、
わくわくするような、新しい何かと、
必ず出会うことができるんですよね。
その瞬間瞬間を大切にしたいと思います。
まあ、そうは言っても、
それは、ぼくが、森がとても好きだからに他ならず、
大都会で生まれて、大都会で育って、
大都会の利便性なしには生きていけない、という人は、
自然の森に何の魅力も感じないかもしれません。
人間は興味があるものしか目に入りませんから。
「きのこ目」なんぞを習得しようものなら、
どれだけ素敵なものが森にあふれていようが、
とりあえずは、きのこばかり見ることに!
これはこれで、実に、もったいないです(笑)。
そんなことをつらつら考えながら、
阿寒川のほとりを歩いていたら、
朽ちかけた倒木に、きのこを発見。
アシグロタケですな。
アシグロタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹や針葉樹の倒木や枯枝から発生します。
傘は円形〜肝臓形で、栗褐色〜赤褐色。
少々くぼんでいる中央部はさらに暗色です。
直径は、5〜20cmくらい。
大きなものが幾重にも重なっていると、
何事かと思うほどの存在感なのですが、
厚さは0.2〜0.8mmほどなので、ぺらっぺら。
しかし、固くて、千切るのはなかなか大変です。
傘の裏側は白く、1mmの間に6〜8個の、
小さな穴があいています。
長さ1〜5cmほどの細い柄があるのですが、
基部が黒いので「アシグロ」という名前なんですね。
食不適。
もう、見た感じも、触った感じも、NGです(笑)。
一期一会、とはいえ、瞬間瞬間が積み重なれば、
永遠にも通じる、長い時間になりますよね。
一瞬はやがて永遠になり、
永遠は一瞬の集まりでできている……。
う〜む、よくわからないけど(笑)、
きのこ観察は、なんて奥が深いんだ!