ときに、きのこは、
写真撮影的に願ってもない場所で発生します。
偶然、と言えば偶然なのかもしれませんが、
例えば、ちょっとしたお立ち台的な場所に、
きのこが生えている場合、きのこの意志で、
その場所から発生した、とは考えられないでしょうか?
きのこの中には、いわゆる冬虫夏草と呼ばれている、
昆虫から発生するグループがあります。
アリに寄生するタイプのあるきのこは、
発芽寸前に葉の裏側に移動させるなど、
アリの行動をコントロールすることができる、
という説もあります。
そう言えば、単細胞生物の粘菌だって、
胞子を放出するための子実体を形成するときには、
今いる場所から少しでも高い場所へ移動します。
と、なれば、きのこの「意志」で、
お立ち台に上がっている可能性は捨てきれません。
胞子を撒くのによりよい場所を選ぶのは、
生物としては、ある意味当然のことですからねえ。
と、いうことで、
森のお立ち台で、白いマントをはためかせて、
ポーズを決めるガンタケをご覧あれ……(笑)。
ガンタケは、夏から秋にかけて、
各種林地の地上から発生します。
傘は大きなものでは直径20cm近くにも。
表面は暗赤褐色で、全面に白っぽいイボが付着。
まんじゅう形から、やがて平らに開きます。
傘裏のヒダは最初白く、のちに赤褐色のしみが。
柄は直径1~3cmくらいで、長さは25cmほどに。
淡赤褐色で、上部に白い膜状のツバがあり、
根本は球根のように丸く膨らんでいます。
肉は白く、傷つけると徐々に赤変していきます。
この、色の変化が、同定のポイントです。
生食すると食後数十分~24時間以内に、
吐き気や下痢など胃腸系の中毒症状が出ます。
ごく微量ながら猛毒成分も含まれています。
誤食しないようにご注意のほどを。
ガンタケの名は、傘の全体的な色合いが、
鳥の雁みたいだということで名付けられたとか。
ちなみに。
ぼくは、マツタケを探すとき、
「マツタケさん、新井さんがお呼びです~」
などと、デパートのアナウンス風に、声に出して、
呼びかけることが多いです、はい……。
何というか、心の奥底で、
きのこと会話できると思っているのかも(笑)。
あ、でも、マツタケとしては、
呼びかけに応えて目立っちゃうと、
ぼくに採取されちゃうわけだから、
当然、無視して沈黙するはずか……(笑)!
まあ、たとえ一方通行でも、
きのこと会話しながら森を歩くのも、
何というか、乙なものです、はい。
鈴代わりでくまさん対策になるかもしれませんし。
(その姿、人には絶対見られたくありません!)