ご用心!食べられないんです!
ヤナギノアカコヤクタケ食不適

きのこの和名は、およそ3000くらいありますが、
基本的には、そのきのこの特徴を表すことが多いかと。

日本で見られるきのこの種類は、
数千種とも1万種以上とも言われているので、
逆に、和名がつけられている方が少なく、
日本のきのこの分類は、まだまだ発展途上なんですね。

それにしても、
ヤナギノアカコヤクタケという名前は、
そのものズバリ、という感じがします。

ヤナギの木から発生する、
赤い、膏薬(こうやく)のようなきのこ。
写真を見れば、確かに!と納得です。

あれ、もしかしたら、若い人は、
膏薬って言葉を知らないかもしれませんね。
広辞苑(第5版)で調べてみると
「脂肪油類に種々の薬物を加えて塗る外用薬」
とあります。

昔の漫画を読んでいると、たまに、
白くて小さな四角いものをこめかみにつけた、
おばさん、おばあさんが、登場しますが、
あれは、膏薬を塗った絆創膏らしいですな。
(頭痛を和らげるために貼ったとか)

さて。
ヤナギノアカコヤクタケは、
主に秋に、ヤナギ類の枯木、枯枝から発生します。

直径0.5~1cmほどの円盤状の子実体が、
互いにくっつきあって、不規則に広がっています。
色は、真っ赤というよりは、赤紫色~暗赤色です。

湿っているときに触ると、
ぷるぷるとしたゼラチン質で、
これはこれでけっこう楽しいです(笑)。

食不適。
さもあらん。
だいたい、もし、食べられるとしたら、
どうやって採取するのでしょう?
木からこそげ取るとか……。
う~む。

ちなみに、このヤナギの木は、けっこう立派で、
阿寒湖畔に生えているのですが、
夏から秋にかけては、
まさに、この同じ木から、ヌメリスギタケモドキが、
たくさん発生するんです。

ヌメリスギタケモドキは、
そこそこ同定しやすいうえに、
そこそこおいしいきのこなので、
もし、天然のきのこを食べたいのであれば、
迷わずこちらをどうぞ。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。