カメラの性能はどんどん進化していて、
設定とか面倒くさいことはカメラ任せで撮影しても、
けっこういい写真を撮ることができます。
まあ、それよりもっとびっくりなのは、
スマホ、こと、スマートフォンの進化ですね。
あんなに小さくて薄っぺらいのに、
カメラ顔負けの写真が撮れちゃうってんですから。
そりゃあ、皆さん、プロでもなければ、
写真しか撮れないカメラを買わなくなりますよね。
スマホ1台持っていれば、ほんと、
何から何までできるんですから。
しか〜し。
ぐいっと手を伸ばせば、
地面から生えている小さなきのこを、
液晶画面で確認することができるとしても、
ぼくは、あえて、カメラを地面に置き、腹ばいになって、
無理やりファインダーをのぞき込んで、
写真を撮影したい、と思うわけです。
地面に腹ばいになるのは、
写真を撮影するための方法ではなく、
きのこと対峙する方法なんですよね。
つまり、きのこの「目線」になってはじめて、
見えてくるもの、感じるものがあるんです。
見えるだけじゃなく、
落葉や土の香りが鼻腔に流れ込んできますし、
顔や手のひらで地面の質感や湿気も感じます。
もし、肌や服の汚れが気になるなら、
タオルとか敷物を使うなど、
それ相応の工夫や対策をすれば済む話です。
キンチャヤマイグチは大きいきのこなので、
森で「対話」をしようとする場合には、
うつ伏せに寝転んで頬杖をつくくらいの姿勢が、
いちばん適しているのではないかと……(笑)。
キンチャヤマイグチは初夏から秋にかけて、
シラカンバ(白樺)やダケカンバなど、
カバノキの仲間の樹下に発生します。
群生することもしばしばあります。
傘の直径は4〜20cmほど。
成長するときれいな半球形に開きます。
表面はビロード状で、橙赤色〜赤褐色。
徐々に退色して黄土色〜金茶色に。
イグチの仲間なので、傘の裏側は管孔。
小さくて円形の孔口が網目状になっています。
柄は太さ1〜5cmくらいで、
灰白色の地に黒い小さな点がびっしり。
下へ行くほど太くなっています。
肉を傷をつけると最初赤っぽくなり、
だんだん青黒く変化します。
ときに、30cmを超える大物もいます。 食。 優秀な食菌です。
傘も柄も独特のぬめりのようなものがあり、
味も香りも温和でいろいろな調理に合います。 それにしても、森で寝転ぶのは快感です。
きのこと「対話」した後は、ぜひ、
大の字になって、森のてっぺんをご覧あれ。
立って見るのとは大違いです。 と、言うことで、
森へお出かけの際には、
ビニールシートや銀マットなどなど、
敷物を忘れずに!