知らないきのこを見つけて、
名前を調べてみようと思った場合、
カメラやスマホで写真を撮影しておくのが、
まあ、手っ取り早いですよね。
注意したいのは、写真の撮り方。
上方から傘のみを撮影した写真だけでは、
名前を調べる上で必要な情報が全然足りません。
じゃあ、図鑑を使って、
きのこの名前を調べるにはどんな情報が必要か?
・発見場所の地名、日付と時間
・子実体の大きさ
・傘の表面、あるいは頭部の特徴
・傘の裏側の特徴
・柄があればその特徴
・生え方(1本のみ、群生など)
・発生場所(生木、倒木、落葉など)
・さらにその樹木や葉などの名前や樹種
・発生場所の周囲の環境
・手触りしたときの特徴(硬さとか、変色するとか)
・香り
少なくてもこのくらいの情報は必要です。
実は「味」もすごく重要な情報なのですが、
調べる対象が毒きのこだった場合、口にするのは、
多少なりともリスクがあると思われるので、
そこはプロの研究者に任せるとしましょう。
白状しますと、ぼくは、
名前を知りたいという欲求は二の次なんですよね……。
「きのこ外見至上主義者」なので(笑)!
さて。
フサヒメホウキタケは、夏から秋にかけて、
トドマツなどの腐朽した倒木の上などに群生します。
高さは4~12cm。
全体が白色で、古くなると淡黄色に変化。
基部から上部に向かって樹枝状に枝分かれしています。
枝の先端部は杯形に広がり、
そこから3~6本の細い枝が直立。
柄は、経1.5~2.5mmと細く、平滑です。
ホウキタケ、と名がつくきのこは、
食べられるものもありますが、
フサヒメホウキタケは食毒不明。
観察して楽しみましょう。
以前から繰り返し書いてますが、きのこの分類は、
昨今、DNAの塩基配列を使った解析が用いられ、
見た目の分類は過去のものになりつつあります。
フサヒメホウキタケは、
ホウキタケ、という名前がつけられていますが、
かのDNA情報を駆使した最新の分類によれば、
本家本元のホウキタケが、
ラッパタケ目ラッパタケ科なのに対し、
ベニタケ目マツカサタケ科に属します。
両種とも昔は同じヒダナシタケ目だったのに……。
でも、図鑑で調べるときなどは、
見た目で判断するしかありません。
じっくり、しっかり、観察しましょう。