ときどき、もしかしたら、きのこは、
この世のものではないのではないか、と、
思うことがあります。
だって、ある日突然、何もなかったところに、
にょきっと生えてくるんですよ!
美しさ、可愛さも、半端じゃないし……。
きのこの本体は、土や倒木の中で生きている、
糸状の菌糸なので、当然のことながら、
何もないところ、そう、
無から有が生まれるわけではないことくらいは、
一応、理解しているつもりではあります、はい。
でも、きのこの本体である菌糸は、
多くの種類で、目に見えないくらいに、
小さかったり、細かったりするわけです。
そんな儚い存在から、あなた、
それはまあ立派なきのこが生まれるわけです。
不思議でしょ?
たった数時間で10cm以上成長するきのこも、
ある程度、時間というか、日数はかかるものの、
高さ数十cm、重さ数十kg級の大物に成長するきのこも、
どこから材料をかき集めたら、
どんなマジックを使ったら、
あんなふうに成長することができるのでしょう?
それを考えてると一晩中寝られなくなっちゃう。
(このフレーズ、わかる人だけ、わかりますね!)
今回ご紹介する、このキホウキタケも、
前日の朝に訪れたときはまったく姿がなかったのに、
翌日の夕方に、いきなり現れていたのでした。
美しく、存在感があるので、
見つけると嬉しいんですよね、これが。
キホウキタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹が生えている森の地面から発生します。
全体的に美しいレモン色で、
高さも、直径も、10〜20cmほど。
樹枝状に著しく分岐していますが、もろいので、
触ると折れてぽろぽろと落ちてしまいます。
下部の柄は白く、成熟すると黄土色に。
肉も白く、傷つけるとやや赤みを帯びます。
毒。
詳しいことはよくわかってないようですが、
誤食をすると、人によっては、
下痢などの症状が出ることがあるとか。
ホウキタケの仲間は、
まだまだ解明されてないことが多いので、
同定に自信が持てないようでしたら、
安易に食べないようにしてくださいね。
それにしても、きのこは、
色も、形も、生態も、興味深いことばかりです。
この世のものとは思えない、どころか、
この宇宙ものではないかもしれません!
きのこは、もしかしたら、
無から有をつくることが可能な、
我々の宇宙とは別の物理法則が成り立っている、
まったく違った宇宙の生物なのかも……。
だとしても、不思議ではないと思います(笑)。
どなたか、ぜひ、解明してください。