6月の阿寒湖は、多くの釣人で賑わいます。
彼らの目当ては、阿寒湖だけに生息しているという、
金粉を散りばめたような、金色のアメマス。
その名も「金アメ」です。
アメマスは、イワナの仲間で、
主に東北や北海道の河川に生息し、
体長80cmを超える大物も少なくありません。
生まれてから2〜3年くらい経つと、
多くの個体が、サケのように海を目指します。
阿寒湖はけっこう広いので、
アメマスが海と勘違いして居着いている、
という話を聞いたことがあるのですが、
真偽の程はよくわかりません。
海へ下ったあとの生態は、
まだよくわかってないようです。
そんな、釣りシーズンの6月のあるとき、
「見たこともない大きなきのこを見つけた」と、
釣り好きの友人がぼくを訪ねてきました。
釣人が集う湖岸のポイントに同行すると、
水中に倒れた木に、アミヒラタケの姿が。
確かに、すごく大型だし、
きのこっぽくない珍しい形です。
アミヒラタケは、初夏から秋にかけて、
広葉樹の樹幹や切株から発生します。
発生してまもない頃は円形ですがやがて扇形に。
傘は直径10〜50cm、厚さ1〜5cmほどと大きく、
表面は淡黄褐色〜材木色で平滑ですが、
暗褐色〜黒褐色の大きな鱗片を持っています。
傘の裏側は白〜淡黄色で、その名の通り、
径1〜4mmほどの不揃いな網状になっています。
食不適、と書きましたが、
出始めの柔らかいうちであれば、
食べることもできます。
が、そんな期間はすごく短いので、
基本的には食べることは難しいかと。
これだけ大型のきのこですから、
眺めたり、触ったりして、楽しみましょう。
秋を迎えると、
阿寒湖に流れ込むいくつかの河川では、
産卵のために遡上するアメマスの姿が多く見られます。
大きい魚が群れをなして清流を遡る姿は、
ものすごく感動的です。